今、私が住んでいるシンガポールもステイホーム期間中。まだまだ緊張感が続く気配がありますが「家事を丁寧にするようになった」「家族との会話が増えた」「先延ばしにしていた断捨離ができた」そんな前向きな声も聞くようになりました。
お家時間を楽しもう!そう思い、久しぶりにお部屋で香りを使ってみました。
昔、CAだった頃にフライトバッグにいつも同じルームフレグランスを入れ、ホテルの部屋で「なんとなく落ち着かない」と感じる時に香らせるようにしていました。「いつもの香り」そう感じる瞬間に緊張がほぐれ、ふっと緩むことが出来たのを思い出します。
使っていたのは、イタリア・フィレンツェ発祥で約400年の歴史がある世界最古の薬局「サンタ・マリア・ノヴェッラ」の「アルメニアペーパー」です。
芳香樹脂やオリエンタルスパイスの浸剤を染み込ませたアルメニアペーパーは、お香のように炎を出さずに燃やして使用し、室内を薫らせます。また、火をつけずにそのまま引き出しの中や、クローゼットに入れて衣類などに香りを移すこともできるのです。
フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ修道院に務めるドミニコ会の修道僧が自ら栽培した草花を使い、修道院内で薬剤・軟膏・鎮痛剤を調合したことから始まった「サンタ・マリア・ノヴェッラ」のアイテムは、そばに置いておくだけでうっとりしてしまう芸術品のようなデザイン。美しい小瓶に入ったルームスプレーやハーブウォーター、ポプリといったアイテムが幅広く揃います。メディチ家をはじめ多くのヨーロッパ貴族たちに愛され続け、今も世界の人々から支持されている名ブランドです。(日本には、銀座・丸ノ内・日本橋などに店舗があります)
自然な香りのローズ・ウォーターは、贅沢に肌にたたきこんでも長く使えます。香水の強い香りが苦手な方にはおすすめです。
このブランドが本当に大好きで、フィレンツェの本店にも足を運びました。まるで、博物館のように美しい重厚な佇まいが印象的でした。
お籠り時間を快適に。そんなとき、是非そばに置いておきたい香りです。
「サンタ・マリア・ノヴェッラ」
https://www.santamarianovella.jp/2index/index2.html
Text : 栗尾モカ
シンガポール在住のライター・イラストレーター。光文社「STORY」など女性誌を中心にライフスタイルや旅の取材執筆、朝日新聞などにイラスト・コミックエッセイの連載多数。著書「女のネタ帖」(学研)「サロン・ド・勝負」(KADOKAWA)「おしゃれレスキュー帖」(KADOKAWA)