【Discover local】地元のフードロースを防げ 余る牛乳をリゾートでミルクジャムへ 

ローカルでの動きや発見を追う【Discover local 】。いま4 月から 6 月にかけてピークを迎える牛乳の生産地では、新型コロナウイルスによる影響で、学校給食や外食産業における牛乳および乳製品の消費量の低下とフードロスが問題になっています。栃木県・那須の牧場で今後に生じる可能性がある牛乳のフードロースを防ぐべく、「ミルクジャム」として製品化にのぞむ「星野リゾート リゾナーレ那須」(栃木県・那須町)の取り組みをご紹介します。

星野リゾート リゾナーレ那須」は、以前にW LIFEのSTORYでもご紹介した日本初のユニークなアグリツーリズモリゾート。アグリツーリズモとは、イタリア 語のアグリクルトゥーラ(農業)×ツーリズモ(観光)の造語で、生産活動を軸に、アクティビティや食事などの体験を通して、那須の大自然に触れながら滞在を満喫することができるリゾートです。施設内の農園「アグリガーデン」では、年間約 180 種類の野菜やハーブを育てるほか、田んぼでは米も育てます。

栃木県・那須町で希少な牛ジャージー種を飼育し、放牧で飼育している「森林ノ牧場」は、星野リゾート リゾナーレ那須と、朝食の牛乳の出荷・提供を行っているという提携関係にあります。森林ノ牧場で搾乳された牛乳は、「低温殺菌」で自社で加工し、より搾りたての生乳に近い風味を保った牛乳の生産にこだわりをもっています。昨今のコロナウイルス感染症の影響を受け、自身でも乳製品の加工などを行うも、搾乳した生乳の廃棄を検討しなくてはならない状況に引き続きあるそう。

そこに、ふだんから連携関係のある星野リゾートから「ミルクジャム」の製品化の提案があり、新たにそのための牛乳を出荷しました。星野リゾートでは、「星のや東京」料理長である浜田統之シェフがリーダーとなり、フランス料理で培った経験を活かした手法で、ミルクジャムの製造に取り組んでいます。すでに浜田シェフが牧場を訪れて、牛の特徴や牛乳の品質などを踏まえて牧場と協議。香り・味が良いことが特徴のジャージー牛の牛乳を使用し、リゾナーレ那須内の農園「アグリガーデン」でなハーブを収穫し、ミルクジャムを試作したそう。

搾乳した牛乳は、加工することで長期保存することができ、さまざまな用途で活用することができます。星野リゾートでは、昨今のコロナウイルス感染症の状況からも、すぐに「星野リゾート リゾナーレ那須」内での消費を目指すという訳ではなく、安心して旅を楽しめる時期に向けリゾート内の施設およびレストラン
にて提供する方法を検討し、実施を目指すとのこと。

「星野リゾート リゾナーレ那須」には、アグリガーデンやグリーンハウスで一年通じて農作業体験「ファーマーズレッスン」や、ハーブなど収穫したものを使っての農家の暮らし方を体験する「農家の手仕事」などのアクティビティがありますが、これらも地元の農家からアドバイスを受けています。ローカルと共にその魅力が生かせるようにという歩みは注目ですね。

星野リゾート リゾナーレ那須 https://risonare.com/nasu/

Text /W LIFE編集部

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