W LIFEで世界中の旅を書いていただいていたトラベルアクティビスト真里さんも2020年はコロナで旅のスタイルを変更。50本目の記事には、そんな新たな旅スタイルで見つけた湯河原の素敵な宿をご紹介いただきました!
東京の自宅から車で行けて露天風呂が部屋に付いている宿を探すのが、コロナ禍に振り回された2020年後半の私のテーマでした。その中で、ちょうど1年前にオープンした全17室、全部屋に露天風呂が完備されているプライベート感満載のステキな宿を湯河原に見つけたので、ご紹介します。
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湯河原の町の中心部から急な坂道を上り切ると、目に飛び込んでくる直線的な黒い建物に金色に輝くエントランス。散歩をされている方が「ここは美術館ですか?」と聞きにくることもあるそうで、アーティスティックな外観です。エントランスを入ると、まず目に入るのがバー。その手前には長方形の水盤。天井の三箇所から水がポタリ、またポタリと落ちてきます。水盤に落ちた水滴が作る輪が重なって「三輪」。このホテルの名前を表しています。
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今回のお部屋は80平米の「三輪のスイート」。リビング・ベッドルーム、広々していて気持ちいい。部屋についている露天風呂は、鹿とお花の柄の釉薬タイル張り。うつわ作家のご夫妻に焼いてもらったそう。温泉掛け流しで、24時間、お湯が出続けています。お部屋には、浴衣やガウンに加えてパジャマも用意されています。先染めスラブ糸で織られた生地のパジャマはふっくらとした風合い。着心地が良すぎて、部屋にいる時はずっと着ていました。またタオル類はサンホーキン綿(天然素材の綿100%の手摘みの長綿)という素材を使用したもので、こちらもとても肌触り良く、こだわりを感じられます。
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宿泊先で気になるのはアメニティ。こちらは私が大好きなブランド、タイの【THANN】。シャンプー・コンディショナー・シャワージェル・ボディクリームに加え、同じくTHANNの基礎化粧品のミニセットも。こういうサービスは嬉しいものです。
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チェックイン後、予約してあったボディ60分・フェイシャル60分のトリートメントを受けました。滞在しているホテルのSPAの予約をとる時にいつもボディにするかフェイシャルにするか悩むのですが、こちらには両方がセットになっているメニューがあるのです!フェイシャルは【THEMAE】というフランス発のSPAブランド。茶道の“お手前”への敬意から、この名前をつけたとのこと。身体の凝りをしっかりほぐしてもらい、血行が良くなったところにフェイシャルのトリートメントという流れで、全身がスッキリ軽くなり、目がパッチリ開いた気がします。
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ディナーは、和とイタリアンが融合したコース料理。“白子とトリュフ見立て“の前菜からスタート。白子に竹炭のパン粉をまぶしてトリュフに見立てたもの。クリエイティビティ溢れる一品です。その後は、雲丹と唐墨のカッペリーニ・季節のお魚のお刺身と様々な食材と調理法で飽きがこないメニューとなっています。浜名湖産の幻の“どうまん蟹”という渡蟹の一種もいただきました。メインディッシュの仔牛のフィレ肉のビステッカ(ステーキ)の後の〆は、目の前で料理長がトリュフを削ってくれるトリュフご飯。ご飯は薬膳のスタイルで炊かれたそうで、いい香りです。
ディナーが終わって部屋に戻る際、サービススタッフが「お部屋でお夜食に食べてくださいね」と、一口サイズの押し寿司を持たせてくださいました。そんな心遣いも嬉しいですよね。
一旦部屋に戻ったものの、エントランスロビーにあるあの素敵なバーを体験しに行かなければと思い、再びロビーへ。メニューリストを見ると、国産・外国産ウィスキーやスコッチなどハードリカーの品揃えが充実。しかも1杯目は無料でサービスとのこと。普段はワインをいただくことが多い私ですが、せっかくの機会なので国産ウィスキーを水割りで。そして2杯目はスコッチを。ゆったりとしたひとときを過ごすことができました。
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翌朝、大きな露天風呂に浸かりながら、眼下に湯河原の街、目の前に山並みを見ていると、心身ともに癒されます。朝食は、美味しいものが少しずつ盛り付けられている和御膳。食後のデザートとコーヒーまで美味しくいただきました。
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ホテルスタイルのお部屋やレストラン・バーでありながら、こじんまりとした旅館のような心遣いがある宿。しかも、80平米のスイートルームに宿泊して1泊2食付きでのお値段は、「これはお値打ちでは!?」と思う価格です。ぜひHPをチェックしてみてください!
今年も1年間、ご愛読ありがとうございました‼︎
三輪湯河原 https://miwayugawara.jp