京LIFE:デヴィッド・ボウイが歩いた京都を写真展で【5月5日まで美術館「えき」KYOTOで】

トップ画像/©Sukita

  私が洋楽にハマり、英国ロックミュージシャンのデヴィッド・ボウイのカレンダーを壁に貼っていた学生時代、こんな噂がありました。「デヴィッド・ボウイが京都に住んでいるらしい。」「九条山(京都市山科区)に家があるらしいよ。」

 もしかしたら、自分も京都の町中でバッタリ彼に出逢えるかも知れない・・・・・・。そんなことを真剣に考えていた少女時代が懐かしい。

 実は、大人になってからも彼の足跡を探し、見つけては喜んでました。

そんな私にとって理想形である展覧会「時間~TIME BOWIE×KYOTO×SUKITA 鋤田正義写真展」が、ジェイアール京都伊勢丹7F隣接の美術館「えき」KYOTOで開催中です。(2021年4月3日(土)~5月5日(水・祝)

写真展エントランス前

 広告、音楽、映画など多様な仕事で知られる写真家・鋤田(すきた)正義氏は、デヴィッド・ボウイが唯一といって良いほど心を許したカメラマン。

 二人の出逢いは1972年、ロンドン。それから二人の交流はボウイが他界した2016年までずっと続きました。

 親日家だったボウイは、よく京都を訪れたという。しかし、観光客というより、スッと町に馴染み、暮らすように過ごしたようです。

 そんな様子が、鋤田氏がとらえたショットからいくつも垣間見えます。

知恩院や三条通りからほど近い古川町商店街のウナギ屋さんでのボウイ。

阪急電車で切符を買ったボウイ(河原町~烏丸の運賃は大人70円の時代!)。同じく阪急電車のホームでは、車掌さん気取りで指さし確認するボウイ。京都の碁盤の目の中で明治初期から京都画壇を支え続ける日本画画材店の彩雲堂の店先に腰掛け、ご主人との会話を楽しむボウイ。

 どれも、本当に自然に京都の町中に溶け込んでいます。

「本当に、彼はこの町のこの道を歩いていたんだ。」

そして、今回の展覧会では、鋤田氏がボウイと訪れた場所や京都の町をもう一度撮るという粋な企画。

 撮影が行われた2019年、2020年ではすっかり変わってしまった景色もあったが、まだまだ面影が残り、ひょっこりボウイが現れそうな場所も残っていました。

 そんな一瞬でタイムスリップ出来る京都の不思議な町の魅力をボウイを通して引き出してくれた鋤田氏の写真の凄さにも改めて感動したのでした。

オリジナルグッズの数々

 写真展を見終えると、販売コーナーに行き着きます。展覧会オリジナルグッズとして、鋤田正義氏の写真集、A5クリアファイルが2種類ありました。展覧会前半で売り切れてしまったオリジナルトートバッグは4月20日(火)ころに再入荷の予定。

 京都でのみ開催の展覧会、取材した時点では巡回の予定はありませんが、この展覧会は京都で開かれるべき展覧会。そして、ジェイアール京都伊勢丹は、ボウイが亡くなった翌年、彼が身にまとった山本寛斎氏のデザイン衣装「トーキョーポップ(KABUKI)」を展示した場所でもあります。ジェイアール京都伊勢丹さんには、ボウイへの深い愛を感じます。

会場エントランスへ

会場も万全の対策をしてくれています。特に京都を知る方なら「きっとここでは?」と見ていて楽しくなるはず。ぜひ、一人でも多くの方に見て貰えればと思います。

「時間~TIME BOWIE×KYOTO×SUKITA 鋤田正義写真展」

https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/index.html

美術館「えき」KYOTO

*緊急事態宣言の発令等により、開館状況は変更になる可能性があります。来館前にご確認ください。

■【問い合わせ先】

TEL:075-352-1111 (ジェイアール京都伊勢丹大代表)

入館の際、マスク着用・検温・消毒を実施。

  • コロナ禍のため、開館時間などは最新の情報をご確認下さい。

Text /倉松知さと 

関西在住。キャスター、歴史番組制作、京都情報ポッドキャスト制作などを担当後、京都・歴史ライターへ転向。

歴史ガイドブック『本当は怖い京都の話』(彩図社)ほか、雑誌や児童書でも執筆中。京都新聞では医療記事も担当。

京都、歴史ジャンルでのラジオ、テレビ出演、講演なども。日本旅行作家協会会員。

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