4巻全場面が集結!特別展【国宝 鳥獣戯画のすべて】は見応えたっぷり

2021 年4月13日から開幕した東京国立博物館での特別展【国宝 鳥獣戯画のすべて】。ひと足お先に、内覧会に行ってきました!

【鳥獣戯画】については、もう説明がいらないくらい有名ですよね。平安時代〜鎌倉時代に成立した甲・乙・丙・丁の各巻から成る絵巻。一番有名なのは甲巻。ウサギがサルを追っかけていたり、カエルとウサギが相撲を取っていたり。カエルを仏像に見立ててサルがお経をあげている場面もクスッと笑ってしまいます。動物が擬人化され、ユーモラスな場面が続くこの絵巻は、一度は見たことがあるはず。京都・高山寺に所蔵されていますが、いつ・誰が・なんのために描いたかなどの詳細はわかっていません。

今回の展覧会では、現存する国宝【鳥獣戯画】全4巻・全場面が会期を通じて一挙展示されています。全巻合わせた長さは44メートル超という迫力です。さらに「断簡」といって絵巻の一部分を切って掛け軸にしたもの、【鳥獣戯画】が成立した後の安土桃山時代以降の「模本」も複数展示されています。これらは、もともとの【鳥獣戯画】の各巻で失われた部分を推測・補完する意味でとても重要です。「断簡のこの場面は、絵巻のこの場面の続きなのか」などと確認しながら鑑賞するのも謎解きのようで楽しいですよ。

甲巻が展示されているところは、展覧会史上初の「動く歩道」で絵巻物を流れに沿って鑑賞しながら移動できるシステムが導入されています。 「鳥獣戯画は現代のマンガ・アニメのオリジン」という人もいますが、動く歩道に乗って鑑賞すると、アニメを観ているよう。また、動く歩道ではないところでは、ゆっくり立ち止まって鑑賞するのもいいですね。登場するキャラクターのイキイキした仕草、ちょっとした目の位置や口の開き方で可愛らしさや表情が変わるのがわかります。和紙に墨で描かれているのですから、直しが効かない。一気にこれを描き上げたのは一体どんな人だったのかしら。想像がさらに膨らみます。

展示の後半は、鳥獣戯画が伝わる京都・高山寺と寺を再興した明恵上人にゆかりの品が。必見なのは、普段は「秘仏」として公開されていない【明恵上人坐像】。28年ぶりに寺外で公開されます。穏やかな表情のお姿に心が落ち着き、思わず手を合わせてしまいます。明恵上人は、見た夢の内容を生涯記録していたそうで、「夢記」という“夢日記”が残されています。「美女の夢を見たが、それは毘盧遮那(びるしゃな=仏)であった」と書かれてあり、後日、毘盧遮那の絵を描いています。見た夢の絵日記を書くなんて、高名な僧侶なのに、親近感がわきます。

明恵上人は幼少時に孤児となった身の上からか、動物などをとても可愛がったそうです。明恵上人がいつもそばに置いて慈しんでいたと伝わる鎌倉時代の木彫りの子犬像が会場の最後に展示されています。「夢記」にも二匹の仔犬の夢を見た記述があり、「いとほしさ極まりなし」と書かれています。明恵上人は、犬が大好きだったのですね。どうぞ可愛らしい子犬像もゆっくりご覧ください。

展覧会を観終わったあとは、展覧会グッズ特設ショップへどうぞ。定番はクリアファイルや一筆箋などですが、可愛らしいグッズを見つけました!なんとミッフィーとのコラボグッズがたくさんあるのです。私が真っ先に手に取ったのは、エコバッグ。甲巻にあるカエルとウサギが追いかけっこしている場面にミッフィーがいるのです!時代も洋の東西も違うキャラクターが、絵巻の図柄にミッフィーが妙にフィットしていて、不思議です。思わず「可愛い!」と声を上げてしまいます。

今までいろいろな場所で何度も各巻を鑑賞していますが、何度観ても面白い【鳥獣戯画】。ぜひ東京国立博物館でご覧ください!

東京国立博物館 特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」

会場:東京国立博物館

会期:2021年4月13日(火)~5月30日(日)*会期中に展示替えがあります。

前期:4月13日(火)~5月9日(日) 後期:5月11日(火)~5月30日(日)

休館日:月曜日※ただし5月3日(月・祝)は開館日

開館時間:開館時間:9:00~19:00

*緊急事態宣言の発令等により、開館状況は変更になる可能性があります。来館前にご確認ください。

観覧料(通常:一般2,000円、大学生1,200円、高校生900円)税込み 
*事前予約制(日時指定券)

公式HP : https://chojugiga2020.exhibit.jp

Text /トラベルアクティビスト真里

世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクディビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。

“4巻全場面が集結!特別展【国宝 鳥獣戯画のすべて】は見応えたっぷり” への2件のフィードバック

  1. 血のかよった平易を心がけた案内をありがとうございます。予約が取れましたので、読んでいてどんどん期待が膨らんでくるのが分かりました。特に明恵上人の説明にはほのぼのとしました。
    ありがとうございます。

    1. 原田様 W LIFEご愛読と嬉しいコメントありがとうございます。トラベルアクティビスト真里さんより「おすすめの展覧会のなかでピックアップした作品へのお言葉に、そう言っていただいてたいへんに感激してます」とのことです。これからも展覧会の一早い記事をお届けしますので、ぜひ W LIFEをどうぞよろしくお願いします。

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