そこで生まれた美味なるチーズ、グラナ・パダーノPDO(原産地呼称保護)の熟成度による味わいの 違い、楽しみ方を、チーズプロフェッショナル、グラ ナ・パダーノチーズアンバサダーの佐藤優子さんに学びました。会場になったのは、白山の隠れ家レストラン「リストランテ ヴォーロ・コズィ」
グラナ・パダーノPDO(以下、グラナ・パダーノ)は、イタリアの長い伝統と 歴史を持つチーズで、イタリア北部のポー川流域で生産されています。保護原産地呼称(PDO:Protected Designation of Origin)で定められてお り、世界で最も消費されているPDOチーズです。
日本では、作り方や熟成方法の違いなどから7種類(フレッシュタイプ、白カビタイプ、ウォッシュタイプ、シェーブルタイプ、青カビタイプ、セミハードタイプ、ハードタイプ)に分けられるチーズのうち、グラナ・パダーノはハードタイプになります。水分が少なく9ヶ月〜1年半熟成させるので大きな太鼓型が特徴。起こりはシトー派の修道士によて12世紀に創設されたミラノ郊外にあるキアラヴァッレ修道院。長い歴史を持つチーズです。
生産地の牛乳だけを使用、1000Lのバットで加工して、1つのバットからつくられる2つのホイールチーズはプラスティック製型に入れて約2日間固めて、原産地マークを入れられます。約14〜25日間塩水につけてから熟成庫で最低9ヶ月熟成させます。このような原材料や作り方もPDOなので決まっています。熟成期間によって味わいが違って、9〜16ヶ月と熟成期間が短いものはマイルドでクリーミー、16ヶ月以上になるとアミノ酸の旨みが増し、食感もじゃりじゃりしてきます。さらに20ヶ月以上だと複雑なテイストでキャラメルやパイナップルのような味わいも。
主にタンパク質と脂質、ほとんどラクトース・フリーなので糖質制限にも合って、とてもカルシウム豊富、鉄、ビタミン、ミネラルも含みます。食べ方はかちわって崩す、スライスする、グレーターですりおろすの3つが主。ワインやビール、ハードリカー、そして日本酒にも酒の香りとチーズの脂肪分が合っておいしいそう。
ヴォーロ・コズィでのテイスティングメニューは、小さく丸めたかわいい「グラナ・パダーノのフリット」には北イタリアのスプマンテを、「グラナ・パダーノのビスコッティーニ」には白でアンペリオ・ランゲのシャルドネを、「グラナ・パダーノのテーゴレ」には軽めの赤でモンフェラート・ロッソ・セイ・ディ・トレが合わせてでてきました。フライパンで焼いて作るというこのテーゴレがとても香ばしくておいしい!チーズの旨みが存分に味わえます。
まず口の中で味わいを楽しみつつ、絶妙なお酒とのペアリングで、それだけでかなりのご馳走になるチーズでした。
グラナ・パダーノPDO https://granapadano.jp/
Text/W LIFE 編集部