自宅にシェフを招く インド料理のハウスシェフと夕食を

シンガポール在住記者の栗尾モカです。シンガポール在住のインド人の先生からインド料理を習っています。最近は、いろいろなインド料理レストランのシェフとも知り合うようになり、インド国内の地方料理も頂く機会が増えてきました。

シンガポールでは最近、ハウスシェフといって、シェフを自宅に呼ぶのが流行っています。家に友人を招いて、大好きなシェフの料理を楽しむことが出来るのが魅力です。

この日は、逆にシェフのご自宅にお邪魔して、ベジタリアンのための南インド料理を作っていただきました。木の皮から出来たお皿にバナナの葉を敷き、シェフ自らカレーやチャツネを取り分けてくださいました。

スパイシーなカボチャのカレーとマンゴーの甘みが爽やかなチャツネ、カリフラワーのビリヤニが絶妙にマッチ。いつまでも食べていたいほどの味付けでした。元々、お肉やお魚が大好きだったのですが、インド料理を学んで野菜をよく調理するようになってからは、野菜中心の食生活が心地よくなってきました。体への負担も少ないので体調も良くなりましたし、スパイスを効果的に使うことによって塩分も抑えながら料理を美味しく頂くことができるようになりました。インド料理はとてもヘルシーです。

インド料理は見かけは素朴ですが、ひとつひとつのおかずを作るときの工程には結構時間がかかりますし、複数のスパイスを組み合わせて味付けをするので手間もかかります。でも、ごはんまたはビリヤニ、カレー数種、チャツネやライタ(ヨーグルト)を手で混ぜながら食べることに慣れると、その味わい深さといろいろな味の調和に感動しますし、時間をかける価値があるなと思います。

インド料理を作る様になってから、野菜は早朝の市場で購入することが習慣になりました。スーパーで買うよりも新鮮でピカピカした野菜を使う量だけ少量買うことが出来るので無駄がありません。例えば、生姜をひとかけら50セント、小ナスを10個で2ドル、といった具合に。冷蔵庫の中で野菜を古くしてしまうことがなく、毎回の料理で新鮮なまま使い切ります。小ナスは、インド料理の先生と買い物に行く様になってから先生が買うのを真似して料理に使う様になりました。大きなナスよりも実が締まっていて美味しいのです。こんな風にインド料理は新しい素材との出会いの連続なので、益々魅力に引き付けられています。

シェフの料理の最後に頂いたデザートのパイには、ドライフラワーの薔薇の花びらがパラリ。インド料理には時々食用の薔薇が使われますし、ローズミルクと呼ばれる薔薇の香りのシロップが入ったミルクを飲んだりもします。

リトル・インディアに行くと、道のあちこちにインテリアやお供えに使う色とりどりの薔薇もよく売られています。インド人の習慣として、日常に薔薇を使うところがとても素敵です。髪にジャスミンの生花を挿している女性も多く、近くを通るとお花の良い香りがします。ちょっとドラマテフィックな気分になるので、私も薔薇やジャスミンのお花を購入しては、お部屋に飾ることを楽しんでいます。

Text / 栗尾モカ

美大でデザインを専攻した後、国際線CA、出版社勤務を経てライター・漫画家に転身。「STORY」などの女性誌を中心にライフスタイルや旅の取材執筆、朝日新聞などにイラスト/コミックエッセイの連載多数。シンガポール在住。現在アジアの食文化とアーユルヴェーダを研究中。日本ソムリエ協会ワインエキスパート。「Yoga Journal」でイラスト記事を連載中。

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