日本でも数多く味わえるジョージアのワイン 
 大使館公認タマダのテイスティングレポート

いつも旅やワインの素敵な記事を執筆いただいてるトラベルアクティビスト真里さんは、在日ジョージア大使館公認タマダとしてジョージア愛を発信しています。そんな真里さんのジョージアワインテイスティングレポートをお届けします。

ワイン発祥の地と言われるジョージア。8000年前の遺跡から出てきた出土品にワインの成分が付着していたことからそう言われています。冷涼かつ寒暖差の大きい気候はブドウの栽培に適しており、ジョージアでしか栽培されていない土着品種が500種類以上あるというバリエーション。ジョージアの国土面積は北海道よりひと回り小さく、人口は400万人という規模を考えれば、いかにジョージアという国とワインが強く結びついているかわかります。就業人口の約半分がなんらかの形でワインに関係しているという話にも納得です。

私は2017年にジョージアを旅した際に、近代的な大規模ワイナリー、そして小規模な家族経営のワイナリーなどたくさんのワイナリーを訪ねました。やはり印象に残っているのは、昔ながらの製法でワインを作っている家族経営のワイナリーです。敷地の門を入ると前庭にブドウ棚があり。「マラニ」と呼ばれる貯蔵庫の床面に「クヴェヴリ」という大きな甕が埋められていました。通常白ワインを作るには、ブドウの実だけを醸造させることによって、透明に近い白ワインになります。一方、ジョージアで伝統的に行われているのが、白ワイン用のブドウを茎や皮・種子を取り除かずに丸のまま漬け込んで発酵させてできる「オレンジワイン」。オレンジもしくはアンバー(琥珀色)の、濁ったような色調、味はタンニンをしっかり感じます。最近は日本でも認知度が上がり、飲食店やショップで見かけることも増えました。

ジョージアには「ジョージア国家ワイン庁」という役所があり、先日、同庁主催で開催された「ジョージアワイン東京大試飲会」と銘打った飲食店・酒類販売店向けイベントがあり、参加してきました。ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使も来場され、会場が盛り上がります。日本在住の日本人で唯一のマスター・オブ・ワインである大橋健一氏による「知っておきたいジョージアワインの基礎知識」「先取りしたいジョージアワイン最新事情」、日本を代表するワインテイスター/ソムリエ大越基裕氏による「ジョージアワイン・ペアリングの世界観」と題するセミナーが開催されており、ジョージアワインをもっと深く知りたいという参加者で熱気に溢れていました。

試飲会場に行ってみると、17ものジョージアワインインポーターがそれぞれブースを構えて、たくさんの銘柄がずらり。こんなに大量のジョージアワインを日本で見るのは初めてです。どこのブースも大盛況。

各ブースを廻って、テイスティングをしてみました。まずは、一番大きなスペースをとって約40種類ものジョージアワインを展示していたDaiSuWine合同会社。ジョージアの中でもワインの生産が盛んなジョージア東部カヘティ地方産のワインだけでなく、中東部カルトゥリ地方や西部イメレティ地方産のワインなど、他社ではなかなかお目にかかれない幅広い品揃えをしているそう。

日本語が堪能なマリヤンさんが率いるグリーンエイトワイナリーでは、ジョージアのワイナリーを訪れて、生産者とよくコミュニケーションをとり、各ワイナリーの歴史・ストーリーが日本のワイン愛好家に伝わるようにしているとのこと。

オンラインショップのみというインポーターが多い中、東京都大田区に実店舗もあり、店内で試飲もできるのがノンナアンドシディ。こちらで輸入されている「Pheasant’s Tears」は私が大好きなジョージアワインの一つです。他にも多くの現地ワイナリーとの親交があり、常に最新の情報をアップデートしているインポーターです。

ワインミーは、会社代表がとても素敵な女性なせいか、テイスティングさせてもらったワインはどれもとてもエレガント。エチケットもアート心満載で心惹かれます。

ジョージア・ワインと和食のペアリング」というリーフレットを会場でいただきました。サブタイトルに「ダブル世界遺産を卓上体験」と書いてあります。そうです、ジョージアワインも和食も、「ユネスコ世界無形文化遺産」に登録されていますね!ジョージアを代表する品種とそれに合う和食のお料理を、日本を代表するソムリエ三人が提案しています。例えば、白ブドウの代表的品種「ムツヴァネ」。樽やステンレスタンクを使ったヨーロッパスタイルで醸造した場合、酸や味わいが比較的穏やかですっきりとした味わいになります。“豚肉と長ネギの酒蒸し煮”や“ウドの酢味噌和え”がおすすめとのこと。一方、同じ「ムツヴァネ」でも、クヴェヴリでぶどうの皮や種も一緒に醸造しオレンジワインとして仕上げたものは「豚の角煮」や「豚肉の梅雨味噌焼き」などお味が少ししっかりとした和食がおすすめとのこと。醸造スタイルに合わせてお食事を準備するなんて素敵ですね!世界遺産のジョージアワイン、そして世界遺産の和食のペアリング、ぜひチャレンジしてみたいです。

輸入業者も増え、より多くの飲食店や販売店で目にする機会がさらに増えること間違いなしのジョージアワイン。ぜひ各社のオンラインショップ等でお試しください!

National Wine Agency of Georgia 日本公式ウェブサイト  https://www.georgianwine.jp/

DaiSuWine

https://daisuwine.com/

グリーンエイトワイナリー

https://green8wine.theshop.jp

ノンナアンドシディ

https://www.nonnaandsidhishop.com

ワインミー

https://www.winemi.shop

Text /トラベルアクティビスト真里

世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクティビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。

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