ダウン症のランナーをホノルルマラソンへ!EAT SWEAT HAPPY チャリティーランチョン

NPO法人PURPLE HEART PROJECTSは、障がいの有無に関わらず、互いを尊重し、安心と希望に溢れる社会の実現を目指す活動団体です。全ての人にとっての「やさしい社会」を実現させたいとさまざまな活動を行っています。

PURPLE HEART PROJECTSは、2024年12月に開催されるホノルルマラソンに出場するダウン症のランナーの活動資金のファンドレイジングを開始。その理解と賛同を促すことを目的としたチャリティーイベント、EAT SWEAT HAPPY チャリティーランチョンが世界ダウン症の日3月21日に開催されました。

ダウン症のランナーが2024年12月に開催されるホノルルマラソンへ参加するためのトレーニング費用、渡航費などの活動資金のファンドレイジングを開始、その理解と賛同を促すことを目的とした、チャリティーイベントです。

右: NPO法人PURPLE HEART PROJECTS代表の岡田典子さん 左:米澤 文雄シェフ


PURPLE HEART PROJECTS代表の岡田典子さんが精神的に落ち込んでいた時、ダウン症患者だけが働くパリのカフェを訪れ、そこで接客をしてくれたスタッフの笑顔に心が救われた経験がこの活動のきっかけだそうです。「人は人に救われ、人との関りで人生を豊かに出来る、そこに障がいの有無は関係ない」 この活動が自己成長の一助になればと語っていました。

イベントでは、障がい者と共にあるサステイナブルな社会づくりに理解を示している米澤 文雄シェフとフィランソロピー プロデューサー中嶋 弓子氏とのトークセッションに加え、米澤 文雄シェフ監修の料理が提供されました。この取組みは、障がいを持つ人たちがスポーツを通して、その活躍を広く知らしめることによって、社会への相互扶助の理解を深めることを目的しているのだそうです。

米澤 文雄氏はNo Codeシェフ。NY12年連続三ツ星Jean-Georgesにて日本人初の副料理長に就任。実弟は、ダウン症。枯渇する海洋資源への保護活動の取組み「シェフフォアザブルー」や、マクドナルドハウスでの障がい児保護者への食事提供など「食」を通し数々の医療ケアボランティアやサステナビリティ促進活動を行っています。

医師の竹田先生からダウン症についての説明があり、好きなことをとにかく伸ばせば、他の苦手な面もできる様になるのだとも仰っていました。


会場の青山一丁目のサスティナブルグリル「The Burn」にて米澤 文雄シェフの持続可能な社会実現をコンセプトに構成したサステイナブルフードのコースを楽しみました。

VTR映像ではダウン症ランナーでもあるクリス・ニキッチ氏、田口 海氏、元プロ野球選手のアレックス・ラミレス氏からのメッセージ出演しました。

クリス・ニキッチ氏

クリス・ニキッチ氏は、幼い頃から何度も手術を受けなければならなかったほか、4歳になるまで歩けず、5歳になるまで固形物は食べられなかった幼少期を経て、2020年にダウン症患者として世界初のアイアンマンレース(約226km)を完走。

東京マラソンへも完走し、いきいきとした姿が印象的でした。

田口 海君

とにかく元気で笑顔が印象的な海君は、生後すぐ肺炎で生死をさまよい、3歳まで入退院を繰り返す。10歳からSUPレースやSUPサーフィンを始めたのだそうです。

中学3年生の夏、マウイ島のパドルイベント、Paddle Imuaのリーモートチャレンジレースで家族とともに10Mile16kmのSUPレースを地元の海で完漕するという偉業を成し遂げています。

アレックス・ラミレス氏

長男の剣侍君はダウン症を患っており、生来の合併症により、生後2ヶ月で心臓病の手術を経験。ダウン症は病気ではなく個性と語る同氏は難病児への活動支援を行う団体「Vamos Together」を立ち上げ、同代表を務めています。

「食べて、汗かいて、幸せになろう」をテーマにしたEAT SWEAT HAPPY チャリティーランチョン活動はそのプロセスの一つで、将来的にはダウン症患者が働けるカフェを東京でオープンさせる計画もあるそうです。現代の社会では、まだまだ、ダウン症患者に代表される障がい者と触れ合う機会がなかなかないのが現状です。障がい者とどの様に接するべきなのか、コミュニケーションをとれば良いのかがわからないといった方や企業がお互いを知る機会を積極的に作り相互扶助の理解を深めていく活動もしていくそうです。

私は以前、病気と闘う子どもたちとその家族のための滞在施設“ドナルド・マクドナルド・ハウス”の設置の際に仕事で関わり、その時出会ったハンデのある子ども達のピュアな笑顔にパワーをもらったことがありました。助けているようで、実は癒され助けられているのは私たちの方だったのです。

障がいの有無に関わらず、互いを尊重し、全ての人にとっての「やさしい社会」を実現できたら、私たちは心豊かに笑顔で過ごすことができるのではないでしょうか。

PURPLE HEART PROJECTS公式サイト: https://purple-heart-projects.com/

Text /佐保田 香織

総合商社→流通コンサルタントを経て幼い頃から親しんだ和の世界へ。きものサロンを主宰し、着付けのマンツーマンレッスンや着物イベントを企画。着物で食べ歩きをするなかでフードアナリスト資格を取得し、フードアナリストとして商品開発やメニュー開発、メディアでの情報発信など食の分野でも活動している。 

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