日本の雪山は美しい、星野リゾート  ネコマ マウンテン を滑る!
スキー場で星野代表と特別対談

旧アルツ磐梯&猫魔スキー場 (福島県)の2つのスキー場が連結リフト繋がって、全33コースの国内最大級規模のスキー場「星野リゾート ネコマ マウンテン(以下ネコマ マウンテン)」が誕生しました。雪をかぶった森の向こうに雄大な姿を見せる磐梯山や猪苗代湖を望む幻想的な風景に日本の雪山は本当に美しいとつくづく思います。

 連結リフトができる前は、車で1時間以上離れていた南北のエリアが、リフトに乗ればたった7分。スノーリゾートの入り口でありレンタルやショップが充実している南エリアには、スキー場直結の「星野リゾート 磐梯山温泉ホテル」があります。ここから出発して、南北エリアを滑ってみました。積もる雪は、軽くふんわりとして、気持ちいい滑りができるスキー場で、北エリアでは「ミクロファインスノー」という特徴的な粉雪になるのだとか。連結リフトに乗るのに「アルツエクスプレス」で1本登るだけでも美しい絶景風景が広がります。

 南北エリアを結ぶリフトの名前は「ニャルツチェア」。猫のニャアという鳴き声にアルツが合体したネーミングは公募で選ばれたもの。そこに立って迎えていただいたのは星野リゾート代表でありスキーヤーの星野佳路氏。このスキー場の連結は、途中に東日本大震災もあって実に14年越し。念願だった「ネコマ マウンテン」の誕生に、グランドオープン23年12月22日の一番リフトに乗ったという星野氏。年間スキー滑走日数が60日を超えるという星野氏と冬に国内で会うのにはスキー場が一番なのです。

-「ネコマ マウンテン」以前の旧アルツ磐梯&猫魔スキー場の頃から、スノーボードの聖地として名を馳せたりとユニークな存在でした。工夫されたゲレンデ食を提供されているも魅力ですね。

星野:トータルなスキー場での楽しみを考えて、ゲレンデ食を充実させています。カツ丼も地元名物のソースカツ丼と塩ダレカツ丼の2種。ラーメンもいろんな種類を置いてます。南エリアの中腹には、ハンバーガーやフライドチキンなどがさっと食べられる「The Rider’s 」もオープンさせました。

ー「ネコママウンテン」は、リピーターの方も多いと聞きましたが。

星野:今季は11月時点で、すでに6000枚のシーズンパスを売りました。ここは高速道路が太平洋沿いの雪のないところを走っているので、近郊県に加えて、首都圏や千葉からも来やすいのです。

ー「星野リゾート 磐梯山温泉ホテル」では、チェックイン4時、チェックアウトが2時。これも画期的ですね。

ースキーヤーにとって、「チェックアウト2時」は泊まった翌日も朝から滑って、お昼を食べ、シャワーを浴びて、チェックアウトしても夕方には帰宅できる時間になってます。そのために4時までの2時間で150室を整えるノウハウを工夫しました。チェックアウト後も15から18時は大浴場も使っていただけます。

ーゲレンデから帰る時間帯15〜17時でのホテルロビーの味噌汁のふるまいも嬉しかったです。

星野:これは、4時チェックインでも早めの3時に来られる人が多いので、その方々のことも考えてふるまっています。

ーいろいろとスキーヤーファーストですね。あと、子どもが楽しめるプログラムや、ホテルで夜「会津磐梯山踊り」を生唄で家族で踊ったり、家族で楽しめます。


「会津の居酒屋GO!」や「喜多方ラーメンGO !」などホテル外での飲食プログラムもユニークですね。

星野:いま、日本の観光業を盛り立てるのに大事な、地域への貢献と連泊の推進の両方が図れます。連泊時の飲食をホテル内だけでなくお客様への選択肢を増やしているわけです。


ー南エリア、北エリア、そしてリフト乗車中の際の、山々の雄大さと樹林の美しい眺望には、感激しました。

星野:日本は、文化観光に比べて自然観光が弱くて、まだこれから。ここもリフトの連結部分がそうですが、日本には素晴らしい国立公園が34もあります。観光名所などの文化観光は一度行けば十分かもしれませんが、自然観光はリピーターを生むので、地方の振興にもなります。その一つの手法として山小屋改革というのも考えています。

ーいつもアイデアの泉のようで驚かされます。

星野:大事なことは現場で、お客様をよく見ているところからアイデアが生まれます。それを実現していけるよう、誰でもアイデアを社内で発信する機会のある、フラットな組織文化を育てています。

ースキーに関しては、社内でも一番滑ってそうな代表からのアイデアが多そうですね。

星野:チェックアウト2時は、以前から言い続けてやっと実現しました。次は朝を選択制にするなどして、冬期にスキーをしたくて来ているバイトの人たちの朝シフトを軽くしたいですね。今、観光では何より労働力の確保がたいへん。人がいなくてはリフトが動かせないといった事態もありえます。トータルに考えて、これからも成長していけるスキーリゾートでありたいと思っています。

ースキー、温泉、飲食、アクティビティととても充実していましたが、今後のさらなる進化を楽しみしています。

取材協力

星野リゾート ネコマ マウンテン  https://www.nekoma.co.jp/

星野リゾート 磐梯山温泉ホテル  https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/bandai/

 

 

Text / W LIFE編集長 小野アムスデン道子

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世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。インバウンド・コンサルタント。日本旅行作家協会会員。

 

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