フランス南部、ラングドック・ルーションからの… その名もIGPペイ・ドックワインを味わう

IGP(地理的表示保護)とはEUの制定による地理的表示制度の一つで、産地と品質を保証しています。南仏カマルグからコート=ヴェルメイユに及ぶ地中海と山々に挟まれたフランス最大のぶどう畑の中心地、IGPペイ・ドック ワインは日本で年間850万本も売れていて、ボルドーにつぐ2位。860もの独立経営のワイナリーがあり、自由なワイン造りの気風のあるエリアです。フランスでは珍しく、58種もの品種が認められており、 モノセパージュという単一品種100%で造るワイン(ヴェラエタルワイン)を主に造っているのも特徴です。

八芳園を会場に(一社)日本ソムリエ協会認定 ソムリエ・エクセレンスの米野真理子氏を講師に迎えて、こうしたIGPペイ・ドック ワインのセミナーを受けながら10種類のIGP ペイ・ドック ワインとペアリングメニューを試食する会に参加しました。



ラ・ベル・ピエール キュヴェ エヴィダンス [ソーヴィニヨン・ブラン] 2022 – カリテ・エ・プリ
からスタート。青リンゴのような若々しいテイストの後に果実感が広がる白ワインに、合わせたお料理は「タコと生姜のマリネ」。オリーブオイルを使ったマリネに生姜の風味が爽やかなワインととてもマッチします。

IGP ペイ・ドック ワインは、赤が45%、白が26%、ロゼが29%とのことですが、白では主力のシャルドネ、ソーヴィニヨンブランのほか、ヴィオニエやジェネリック・ブランなど13種もの品種のワインを造っています。夏はキリッと冷やしていろんな白のバラエティを楽しむのもいいですね。

ロゼ、エグ・ベル ロゼ・デュ・ポワリエ・デ・ルジェット[グルナッシュ、サンソー] 2022 – セパージュとてもきれいな色と華やかな香りが気に入りました。ホタテ貝のポワレと山査子風味のラタトゥイユを合わせていただきました。

赤は4割を占めるメルローのほか、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、ジェネリック・ルージュ、ピノ・ノワール、グルナッシュ・ノワール、のほかスペインにも近いのでテンプラリーニョなどもあって、こちらもバラエティに富んでいます。カツオのたたきにはピノ・ノワール、果実感あるテンプラリーニョには北京ダック、濃い味のグルナッシュには煮穴子山椒などワインと一品を合わせて。
全体にフランスのスーパーで売られているIGPペイ・ドック ワインの4本に1本は有機ワインなのも今のトレンドに合ってますね。


多様なブドウのワインが造られているのは、地中海沿岸に200kmにもわたって帯状に広がる12万ヘクタールにも及ぶ広大なエリアに広がる畑だからこそ。日照が強く、乾燥し、海と山からの様々な風を受けて、ブドウが病気になりにくいのでビオも造りやすいのだそう。

細分化されているAOP(原産地呼称保護)に比べて緩やかな区分けのエリアのなかで、のびのびといろんなワインが造られているIGP。気軽に質のいいワインをいろいろ試すのにはぴったりだと思いました。

IPGペイ・ドック ワイン委員会 https://www.paysdoc-wines.jp/home

Text / W LIFE編集部

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