スペインの美食: スパークリングワイン「カバ」と生ハム「ハモンセラーノ」のこだわりとは?

スペインは、料理がユネスコの無形文化遺産になっている美食の国。そんなスペインが誇る高品質な農産物をプロモーションしようと、EUキャンペーンの一環として現地から担当者も来日し、カバ原産地呼称統制委員会とスペインハモンセラーノ協会によるプレス発表会がありました。

細やかな泡のカバと熟成された味わいのハモンセラーノは、とても合いますが、それだけではなくこの2つには共通項があります。

それは「時間」、熟成のためにかける「時間」、そして「時間」をかけて楽しむという贅沢さという点でこの2つは似ています。

カバは、最低でも9ヶ月、最大では36ヶ月の熟成をするトラディッショナルなメソッドで造っており、一方のハモンセラーノも最低12ヶ月熟成が条件です。

そんな丁寧に造られたカバ3種とコルタドール (生ハムをカットする職人)によって目の前でカットされた生ハムの相性は抜群。

この日にテイスティングした「D.O.P CAVA」は、カバ原産地呼称委員会が消費者に向けて品質を保証するスペインで唯一のスパークリングワイン。地中海性気候でサスティナビリティに配慮して造られるカバは、2025年にはすべての畑がオーガニックになることを目指しているそう。

カバは、認定された白ブドウと赤ブドウを使い、熟成期間、糖分の含有量でいろいろな種類があります。この日は、右から18ヶ月熟成の若々しいハーブのような味わいのスペリオール・レゼルバ2020、18ヶ月熟成でベリーや黒ブドウのタンニンも感じるスペリオール・レゼルバ・ロゼ2022、30ヶ月熟成で澱と一緒に寝かせたことで深い旨味を感じるスペリオール・グラン・レゼルバ2016をいただきました。カバとひと口に言っても、さまざまな味わいでスパークリングを楽しめることを改めて実感。

合わせた生ハムのハモンセラーノには、大事なポイントが3つあります。
「すべてスペイン産の豚肉でスペイン国内で作られていること」「熟成が最低12ヶ月以上」「品質管理がきちんとされていること」。生ハムを1本ずつ職人が手で押して品質をチェックして出荷するそうです。足のところに認定マークが焼印されており、65カ国以上に輸出されている、スペインを代表する食料品の一つです。

そのまま切り出したハモンセラーノも噛めば噛むほど味わい深かったのですが、アスパラガスと合わせたり、ナスのフリットなどの野菜と一緒にしたタパスはアペロにぴったり。ナスのフリットを巻いたものにはわさびが添えられており、これがとても合ってました。



初夏のテーブルにぴったりのスペインの美食、カバとハモンセラーノ。以前に訪れた名産地であるカタルーニャの美しい自然や街並みを思い出させました。

Text /小野アムスデン道子

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世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。インバウンド・コンサルタント。日本旅行作家協会会員。



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