~大人女子を魅了するエンタメシティ・マカオの旅④
「アクティビティ編:料理教室からアクティブ体験まで」

マカオで楽しめることといえば、世界文化遺産に登録されているノスタルジックな街並の散策、キラキラの夜景、世界的なラグジュアリーブランドのホテル滞在など。でもそれだけではありません。料理好きな人にぜひおすすめしたい料理教室や、スリリングだけど安全に楽しめる体験スポットなど、多彩な内容。マカオレポート第4回では、マカオで体験したいアクティビティの数々をご紹介します。

【築100年の古民家でローカルシェフにマカオ料理を習う】

この2~3年、私の旅のテーマのひとつが、「世界の料理教室めぐり」。これまで、カナダ、ハワイ、スペイン、タイ、ラオスなどで体験していて、今回の旅で最も楽しみにしていたのも、マカオ料理のワークショップです。

石畳の両側に並ぶパステルカラーの建築物が美しいラザロ地区には、絵になる風景がいっぱい!

料理教室が開催されているのは中国本土に接する半島側。世界遺産の歴史市街地区から徒歩10分ほどのラザロ地区です。この辺りにはかつて中国人カトリック教徒の居住地があり、石畳の坂道の両側にクラシカルな洋館が並びます。キッチンに使われているのは、約100年前に建てられ、かつては医院として使われた一軒家。訪れるとすでに食材と調理用具、エプロンがきれいに並べられ、“ネタ”の愛称で親しまれているアントニエタ・マニャオンさんが迎えてくれました。マカオ料理の専門家であるネタさんは、もともとタイ料理のシェフ。マカオの歴史と料理が深くつながっていることに興味をもち、教室を催すようになったのだそうです。

古民家を改装した料理教室。調度品や棚に並ぶ調味料に興味津々。
タイ料理のシェフの経験をもつネタさん。教室2階の窓からは、パステルカラーの建物が並ぶ通りを眺められる。

この日、作った料理は、タコのサラダとポルチギースチキン。タコは丸ごと玉ネギやニンニクとともに炊飯器に入れるだけ。あとは炊飯器が勝手に調理してくれます。「炊飯器は日本製がいちばんよ!」とネタさん。

もう1品のポールチギースチキンはおよそ200年前、ヨーロッパとインドを結ぶ経由地であり、物々交換が行われていたマカオに伝わった料理。丸どりを使うのがポイントで、味の決め手はターメリックとポルトガルソーセージ。マカオでは生のソーセージが手に入らないため、缶詰を使っています。料理教室終了後、スーパーに同じ缶詰を探しに行ったのは言うまでもありません。

上/タコの調理に使うのは、なんと炊飯器! 下/鶏肉をターメリック、ベイリーフ、ココナッツミルクなどで煮込むポルチギースチキン。
どちらも日本に帰ってからも作れそう。
試食タイムでは、ビールやワインなどの飲み物もリクエストできます。

料理教室はすべて英語ですが、先生と一緒に作りながら進行するので、英語が得意でなくても問題ありません。マカオとポルトガルの食の歴史も丁寧に説明してくれます。各地の食文化とともに歴史がわかり、片言でも十分にコミュニケーションができることも、世界の料理教室を巡る楽しさです。

●マカオ料理教室(澳門土生葡菜雙人烹飪體驗)

https://gooutmall.com/products/2095

【1920年代のマカオにタイムスリップ! ノスタルジックなカフェも楽しんで】

お散歩気分で訪れたいのが、ノスタルジックな街並みが残るタイパ島にある「益隆爆竹工場跡(Former lec Long Firecracker Factory)」。1925年に建てられた爆竹工場の跡地です。

現在はカジノとエンターテインメントで“プチ・ラスベガス”と呼ばれるようになったマカオですが、1920年代から爆竹産業により急速に発展した歴史があります。全盛期の1950~1970年代には、多くの住民が爆竹の生産に従事し、マカオの経済を支えていたのだとか。

ストリートフードの食べ歩きを楽しめる官也街から近く、散策途中に立ち寄ってみたい場所。

約2万5000㎡の広さに100年前の生産施設が残る「益隆爆竹工場跡」はマカオで唯一、保存状態のいい貴重な産業遺産。現在は公園になっていて、約400mの整備された散策路を歩きながら、当時のマカオにタイムスリップした気分を味わえます。郷愁を誘う古い建築物の背景に近代的な高層建築が迫り、新旧がミックスした景色もマカオらしい光景。建物の一部がカフェとミュージアムショップになっているので、散策の後は往時に思いを巡らせながらくつろぐのがおすすめです。

かつて爆竹工場だった建物を利用したカフェ内には、アンティークショップも。

●益隆爆竹工場跡(Former lec Long Firecracker Factory)

https://www.icm.gov.mo/en/ieclong

【インドアでスカイダイビング!? ストレスも吹き飛ぶプチ・スリリング体験】

ちょっとスリリングだけど、室内で安全にスカイダイビング体験ができるのが、「ゴー・エアボーン(GO AirBORNE)」。幅広い年代の方が楽しめるとあって、ローカルの人にも人気のアトラクションです。室内のスカイダイビングというとピンとこないかもしれませんが、下から強風が吹きつけるチューブの中に飛び込み、高度1万2,000フィート(約3,600m)の高さから落下する気分を味わうというもの。

全天候型の屋内で、地上1万2,000フィートから落下する体験ができます。

赤や黄色のつなぎに着替えヘルメットを渡されると、少々緊張しながらもパイロットになった気分。まずインストラクターがお手本を見せてくれて、続いてインストラクターに導かれチューブの中へ。下から吹き付ける風に、顔じゅうの筋肉がぜ~んぶ引っ張り上げられ、手足もどこかに持って行かれそう。少し慣れてくると、チューブの外で待機している参加者や、撮影担当のスタッフに手を振る余裕も出てきます。

飛行前にはインストラクターによる丁寧なレクチャーと、空中での姿勢の確認も。

1回目はシンプルな飛行体験、少し慣れた2回目はインストラクターが空中でくるくると回してくれるのも楽しい。終了後は頭がすっきりして、気分が爽快に。ほかの参加者にも聞いてみたところ、「頭のもやもやが晴れた」「肩凝りが治った気がする」「ストレッチをした後のような爽快感」との感想が。科学的な根拠ははっきりしませんが、気圧の変化とか、日常では経験できない浮遊状態が、ストレスを吹き飛ばしてくれたのかもしれません。

●ゴー・エアボーン(GO AiRBORNE)
https://goairborne.com/mo/goairborne.com

【セナにシューマッハ、伝説のカーレースが蘇るマカオグランプリ・ミュージアム】

マカオのビッグ・イベントの一つが、毎年11月に開催される「マカオグランプリ」。1954年から開催され、公道を封鎖して行われるカーレースとしては「モナコグランプリ」と並ぶ、世界的に有名なレースです。開催期間中は世界から集まったカーレースファンがマカオの街にあふれ、チケットの争奪戦が起こるといいます。

70年の歴史あるカーレースの歴史が蘇るミュージアム。

「マカオグランプリ・ミュージアム(Macau Grand Prix Museum)」は、その歴史を実際にレースに使われた車やレプリカ、活躍したレーサーたちの等身大パネル、映像とともに紹介するミュージアム。アイルトン・セナやミハイル・シューマッハ、佐藤琢磨といったレース界のレジェンドたちのマシンや映像は、カーレースファンでなくても興味をそそられます。

VRゴーグルで見る過去のレース映像では、実際のレース会場で観客席に座っている臨場感を味わえます。また、コースを走る体験ができる本格シミュレーターは、ハンドルの重さ、アクセルとブレーキ操作、車両の傾きなどが全身で感じられ、本当にレースカーを運転している感覚です。想像以上に曲がりくねったコースで壁に激突したり、横転することもしばしば。そんなスリル感も楽しいミュージアムです。

●マカオグランプリ・ミュージアム(Macau Grand Prix Museum)

https://mgpm.macaotourism.gov.mo/en/

東京の杉並区ほどの小さなマカオですが、遊び方はアクティブ体験からミュージアム巡り、料理教室までよりどり。2~3日ではとても楽しみ尽くせず、訪れるたびに新しいスポットやアクティビティが登場しているのも楽しいところ。コロナ後は従来からある施設のリノベーションが進んでいて、より充実した内容に。週末旅にぴったりのマカオだからこそ、何度でも訪れて楽しんでみたいですね。

協力/マカオ政府観光局 https://www.macaotourism.gov.mo/ja/

Text /永田さち子

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ライター・編集者。医学雑誌、スキー雑誌の編集を経てフリーランスに。旅行書、雑誌を中心に旅、グルメ、料理、健康コラムなどを執筆。ハワイに関する著書に、『ハワイのいいものほしいもの』『おひとりハワイの遊び方』『ハワイを歩いて楽しむ本』(実業之日本社)、『50歳からのHawaiiひとり時間』(産業編集センター)ほかがある。旅行情報サイト『Risvel(リスヴェル)』にコラムを連載中。http://www.risvel.com/column_list.php?cnid=6

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