ワイン好きの私ですが飲む機会が少なく、あまり良く知らなかったドイツワイン。「ビール大国のドイツで、美味しいワイン作っているの?」「甘口のデザートワインが主流では?」こんなイメージを持っていました。その先入観を見事にひっくり返された素敵なイベントについて報告します。
イベントタイトルは【2021年おすすめドイツワイン30選〜ドイツワインとアジア料理のハーモニー】。ドイツワインインポーター39社から応募があった計180本のワインの中から、2名のプロによってテイスティングされた“今年の30本”が選ばれて、それに合うお料理とともに紹介されました。
30種類のワインは、「スパイシー」「蒸し」「炒め、揚げ」「しょうゆ」「甘酢」という調理法や味にマッチする5つのカテゴリーに分けられていて、それをまとめたリーフレットをイベントのはじめにいただきました。このリーフレット、なかなか興味深いです。生産地や生産年・品種・味の説明だけでなく、それぞれのワインにキャッチーな一言が添えられているのです。例えば、『色白のスレンダー美人を思わせる味わい』とか『“勝負”の時こそ飲みたい、ハイレベルな1本』『八方美人、でも芯はしっかりした女性を思わせるワイン』等々、どんなワインなのだろうと期待と妄想が広がります。
2000年の長い歴史があるというドイツワインについてナビゲートしてくださったのは、パレスホテル東京グランドキッチン チーフソムリエ瀧田昌孝さん。数年前にドイツのワイン生産地を廻られたそうで、歴史的な背景・最近のトレンドをお話しくださいました。
もともと冷涼な気候を利して白ワインの生産が多いですが、近年は温暖化によってピノ・ノワールなどの赤ワイン用のぶどうの生産も評価が高まっているとのこと。「ドイツワインは甘口」というイメージが広がったのは、第二次世界大戦直後、主な輸出先であったアメリカの嗜好に合わせた甘口ワインの輸出が多かったからだそう。1990年代からは、意欲的な若手生産者が多く登場し、クオリティの高いワインの生産が増えています。「アジア各国のお料理にも合うワインが多いですよ」とのことで、ますます好奇心が高まります。
今日のイベントの大きなテーマは、アジア料理とのマリアージュ。供されるお料理は、【代官山 蜜香mi-shang 】の村木美沙シェフによる広東料理を中心としたメニュー。実は私、以前から蜜香の評判を聞いており、ちょうど2週間前に餃子のお取り寄せをしたばかりだったのです!自宅で茹でた水餃子が本当に美味しく感激だったので、お食事のメニューもとても楽しみでした。
最初に出てきたのは「茹で鶏も香味ピーナッツソースがけ」。そこに合わせるのは、スパークリングの「ゼクトブリュット」。ピーナツや茹で鶏のクリーミーなお味が、きめの細かいスパークリングワインの泡、芳醇な香りとよく合います。二品目の「広東式焼売」は海老とバーデン地方の「グラウブルグンダー・オーバーベルゲナー・バスガイゲ エアステ・ラーゲ」(ピノ・グリ)を。海老やゴロッとした食感の残る豚肉、そして蒸すことで余分な油が落ちた焼売のミネラル感がワインとピッタリ。「海老の金沙炒め/揚げワンタン」には「ヴァイスブルグンダー トロッケン」(ピノ・ブラン)、「牛肉の広東風醤油煮込み」には「マルターディンガー シュペートブルグンダー」(ピノ・ノワール)、「鯛の甘酢あんかけ」には「リースリング トラディション」と、ワインと料理のペアリングはこうあるべきなのだと気付かされる時間でした。
お食事とのペアリングで出てきていない残りの25本もテイスティングできるとのこと。多すぎて何を選んでいいかわからず、イベント開始時にいただいたリーフレットに記載されている「ワインごとのキャッチコピーで決めよう!」。『 一見フレンドリー。でも後味キリリな“ツンデレ”ロゼ』というヴァインライヒ・ロゼを飲んでみました。コピー通り、チェリーやすみれのような甘い柔らかな香りがしますが、飲んでみるとしっかり辛口。ドイツのロゼワインを頂いたのは初めてでしたが、作り手のレベルの高さを感じました。
すっかりドイツワインへの興味が高まった私。都内のドイツワインが飲めるバーやレストランをいくつか回ってみるつもりです。もしかしたら、「おすすめ30本」をコンプリートできるかもしれませんね!
ドイツワイン Wines of Germany
https://www.winesofgermany.jp
「おすすめ30本」のリスト
https://www.winesofgermany.jp/wine_selection/2021/
Text /トラベルアクティビスト真里
世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクティビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。
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