旅の初日で目的のヒクイドリに遭遇(前編をご覧ください)できたので、残りのケアンズ滞在は観光を思いっきり楽しむことにしました。世界最大の珊瑚礁グレートバリアリーフに接しているケアンズからは、船に乗ってどこかの島に行く日帰りツアーがたくさん出ています。
私のケアンズ滞在は3泊という短いものでしたので、船に乗って出かけてしまうと丸1日潰れてしまいます。そこで短時間で絶景を堪能できる遊覧飛行のツアーに行くことにしました。ホテルのツアーデスクで前日に申し込みをし、当日の朝8時過ぎに迎えの車がやってきました。他のホテルに滞在している参加者も順次ピックアップして、ケアンズ空港の一角にある遊覧飛行会社のオフィスへ。安全講習のビデオを見るのですが、その間、ふと外を見るとホテルに迎えにきてくれたドライバーさんが機体のチェックをしています。ドライバーさんはパイロットだったのです!
8人乗りの飛行機に、この日の乗客は4人。いよいよフライトに出発です。大型の旅客機が離着陸する合間を縫って、管制塔から離陸の許可をもらいます。乗客の私たちはヘッドフォンをつけて、パイロットの声が聞こえるようになっています。「今、空港にアプローチしているJet Starが着陸したら、私たちが離陸しますよ」などとマイクを通して情報を伝えてくれます。離陸後、まずは沖合27kmにあるグリーン島を目指します。
グリーン島は船でケアンズからの日帰りシュノーケリングツアーに来る人がたくさんいることで有名な島。島の周りには船が何艘も停泊しています。そのあとは、「オイスターリーフ(Oyster Reef)」「アーリントンリーフ(Arlington Reef)」など、有名な大きなリーフ上空を次々に訪れ旋回します。空から見ると、グレードバリアリーフは、リーフごとに青のグラデーションにも違いがあるのがよくわかります。緑に近いもの、濃い青のもの、いくら見ても飽きません。ハートの形のリーフもありました。船で訪れてシュノーケリングなどをするのも楽しいですが、上空から大自然を堪能するのも素晴らしい経験でした。小一時間のフライトで、価格は一人229AU$(約2万円)。この値段でこの景色、価値があると思います。
遊覧飛行を終えて、お昼前からはケアンズ観光でマストな「キュランダ(Kuranda)観光」へ。空港から車で15分くらいのスミスフィールド(Smithfield)というエリアまでパイロット兼ドライバーさんに送ってもらいました。ここは「バロン渓谷国立公園(Barron Gorge National Park)」の入口にあたるエリア。ここからロープウェイに乗り、熱帯雨林を眼下に眺めながら終点のキュランダを目指しての空中散歩です。
さまざまな種類の木がぎっしり生えていています。途中2回ほどロープウェイを乗り換えるのですが、乗換え駅では熱帯雨林を散策することができます。圧巻なのが、バロン滝(Barron Falls)という滝が見える展望台。今まで世界中でいろいろな滝を見てきましたが、この滝はTop 3にはいるかも。雨季ということもあり、水量がすごい。茶色い水が轟々と流れ落ち、水煙が高く上がっています。高低差・形状も相当な迫力です。
ロープウェイ終点キュランダでは、ランチをとったあと、バード・パークやバタフライ・パークなどを見学しました。バード・パークでは、前日、野生の個体を見たヒクイドリも飼育されていました。気のせいか、野生のものよりおとなしそうに見えたのは気のせいでしょうか?
帰路は観光列車でケアンズまで戻ります。20世紀初頭、金の採掘のために敷かれた鉄道は、標高330mから海辺のケアンズ駅までの33kmを90分をかけてゆっくりと走行していきます。レトロな感じの客車とのんびりしたスピードで、ノスタルジックな雰囲気に浸ってしまいます。12の橋、93のカーブ、15の手掘りトンネルがあり、車窓は変化に富んでいます。行きにロープウェイ駅で眺めたバロン滝を、逆側から眺めることができます。列車は1日2往復しかないので、ロープウェイも含めて要予約です。ホテルのツアーデスク等で相談すれば、ロープウェイと汽車のチケットの手配をしてくれます。
私は3年間も海外に行かなかったのは、社会人になってからは初めてだったかもしれません。渡航先のワクチン接種等の入国条件の有無をチェックしたり、帰国時の検疫でワクチン証明やPCR検査が必要だったりと、コロナ禍前と違うことがあるのも事実。渡航前は少し緊張してしまいました。でも、3年ぶりの海外旅行は楽しかった!今年はどんどん海外に出るつもりです。
GSL Aviation -Reef Hopper
https://gslaviation.com.au/cairns/reefhopper
Kuranda Scenic Railway
https://www.ksr.com.au/Pages/Default.aspx
Text /トラベルアクティビスト真里
世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクティビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。