シンガポール日記:南インドの家を守る伝統アート

シンガポール日記:

ライターの栗尾モカです。今回は、南インドを中心に伝わる「KOLAM」という伝統的なアートのコンペがリトル・インディアで行われたということで足を運んできました。

コンペ当日はあいにくの豪雨で断念。翌日、インディアンヘリテージ・センターに優秀作品が展示してありました。

 

KOLAM(コラム)を描く時には、色をつけた米粉や生花などが使われます。コラムは家庭に繁栄をもたらすと考えられているそうで、インドの南部地域タミル・ナードゥ州では女性が毎朝、玄関前にコラムを描くのだとか。

どれもハッと目がさめるような色彩とコントラスト

 

それにしても、こんな手の込んだ作品を毎朝描くことが出来るなんて!コラムの為に女性は早起きをするのでしょうか。頭が下がります。

 

 

玄関先に描かれるコラム。使われている米粉は虫に食べられたり鳥などの生物がついばみに来たりするそうで、自然との共存の意味もあるとのことでした。

 

デザインは邪悪なものを遠ざけるための幾何学的な線であったり、絵画的なものでは魔法、哲学、宗教のモチーフや、魚、鳥類、太陽、月、星座なども使われるそう。

コラムを描く技術は代々母から娘へと伝えられ大事にされているものだそうですが、最近はインドのモダン・アートとして広く知られ始めているそうです。

 

道具を使わず、手と米粉だけで描かれるコラム。その鮮やかな手さばきを是非動画でもご覧ください。

Text / 栗尾モカ

 

栗尾モカ / 美大でデザインを専攻した後、国際線CA、出版社勤務を経てライター・漫画家に転身。女性誌「STORY」他、ライフスタイルや旅の取材執筆多数。アジアに縁があり、沖縄、ホーチミン、ジャカルタに各3年滞在。2017年よりシンガポール在住。趣味はアジアの食巡り。アーユルヴェーダとメディカルハーブを勉強中。夢はHawaiiに住むこと。

 

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