目力がさすが 日本画に描かれた動物たちと対峙 

日本画の名コレクションで有名な「山種美術館」で、いま、愛嬌のある仕草や優美なたたずまいの動物たちが楽しめる展覧会【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイスが開催されています。その数56点。その中から目力の印象が強い動物たちを紹介します。

なんといっても展覧会の冠にもなっているこちらの竹内栖鳳(たけうちせいほう)が描く《班猫》。1924年(大正13年)の作で重要文化財。振り返り様にこちらを見つめる猫の瞳に引き付けられます。栖鳳は、旅先で出会った猫を譲り受けて連れ帰り、写真撮影や写生を繰り返して本作品を完成させたとか。画家もこの瞳に引き付けられたのでしょう。その場に猫がいるような迫力を感じます。本作品は山種美術館のコレクションの中でも人気作品の一つで4年ぶりの特別公開。

暗がりの中からこちらを見据えるのような《木菟(みみずく)》は、横山大観による1926年(大正15年)の作品。大観邸(現横山大観記念館)の庭にはミミズクが現れることもあったそう。目力ある光るような目には金泥が施されています。

上目遣いで何か言いたげな《シャム猫》は、1974年(昭和49年)、奥村土牛の85歳の時に制作の作品になります。ちょっと気位高くてシャイな猫の性格が感じられるよう。

愛らしい犬や猫、勇壮な馬や牛からユーモラスな蛙まで個性豊かな動物たちが揃う展覧会。どの作品にも動物たちへの愛も感じられて、心なごむひと時でした。

【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス 併設展
示:ローマ教皇献呈画 守屋多々志《西教伝来絵巻》試作 特別公開

■会期: 2020 年 9 月 19日(土)〜11月15日(日) ■休館日:月曜日

■会 場 : 山種美術館(東京都渋谷区広尾3-12-36)

■開館時間:平日 午前11時〜 午後4時(入館は午後3時30分まで )

土日祝日 午前11時〜 午後5時(入館は午後4時30分まで )

入館日時のオンライン予約あり

■入館料:一般1300円 大高生1000円 中学生以下無料 *団体料金は100円引き

山種美術館 http://www.yamatane-museum.jp/

Text /W LIFE編集部

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