セラピストだった私が靴を売るまで②:覚醒した足

セラピストの山田幸代さんを恵比寿でショップオーナーに導いたのは1足の靴!ニューヨークのHipなSpaで出会った別名「セルライトバスター」と呼ばれるスイス製スニーカー、MBTが山田さんの運命を開きます。

 

初めてMBTで歩いた時の感動はあまりにも大きすぎました。

その時の風景まではっきり覚えています。

これほど歩きやすい靴は今まで履いたことがなかったし、腰が安定しない妙な歩き方や、姿勢の悪さが瞬時に改善できたのがわかりました。

確かに見た目はゴツイ靴だ。お世辞にもかっこ良くはない。

なのに足が快適で覚醒したかのよう。

私のコレクションだったイタリアブランドの細い靴たちはまったく出番がなくなり、気が付けば、毎日をMBTで過ごすようになっていました。

 

なんだか変わった靴を履いていること、姿勢が良くなったこと、下半身が引き締まってきたことに家族や友人が気づくのに時間はかかりませんでした。私の周りで2人、3人とMBT愛用者が増えていき、内輪のちょっとしたブームになっていました。

 

あとでわかったことですが、私たちの足には路面の様子を感じ取るセンサーとしての役割があるのだそうです。硬く平らに舗装されたアスファルトと靴の生活では、足の動きが抑制され、人間本来の身体機能はじわじわと衰えていきます。反対に、自然の不安定さが残る大地を靴を履かずに生活する人たちは、無駄のないボディラインを維持し、腰痛や寝たきりと無縁だったりします。

靴、つまり足元の環境が変わるだけで、これほど身体の状態が変わるとは!

マッサージや整体のような受動的な癒しとはまったく別なアプローチで、「身体のあるべき姿」をとらえるようになりました。

 

「立つ」「歩く」「走る」といった基本的な動きや姿勢が快適になれば、歩けなくなる人がいなくなって・・・

日本の未来は変わるかも!!

そんな大きな夢を描きつつ、MBTの販売をメインに、施術も行いながら「足からの健康」を提案する店をつくろうと思いました。

 

 

長くなりましたが、このような経緯でセラピストだった私が、靴も売る立場になりました。ショップをオープンして12年が経ちます。

「足からの健康」と簡単に言っても、人間のからだは実に複雑でわからないことだらけです。学んだこと、発見したこと、ちょっと気になる話題などなどシェアしてまいりますので、これからどうぞお付き合いください。

山田幸代(やまださちよ) / セラピスト・ショップオーナー。20歳よりセラピストとして働き、体内・外の健康と美容に関わる。2006年渋谷区に恵比寿コア http://coregallery.jp をオープン。「一生自分の足で歩くために!」をテーマに、生理学に基づいたフットウェア【MBT】の販売をメインに、足からの健康を提案している。好きな言葉は「審美眼」。

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