これぞ旅:世界遺産の空中要塞都市で 16世紀の修道院に泊まる①

こんにちは!トラベルアクティビストの真里です。

「スペインバル」「ピンチョス」という言葉も、日本ではすっかり定着したでしょうか。最近、美味しいお食事やワインで注目が集まっているスペイン。もしスペインへの旅を考えているなら、いや考えてない人にもスペインまで行ってぜひ泊まってほしい宿泊施設があります。それは「パラドール」。

元はお城・砦・修道院だった歴史的・文化的な建物を修復・改装して、半官半民で経営されているホテルです。スペイン全土で100カ所程度あり、私はこれまでに15箇所以上のパラドールを訪問・宿泊してきました。今回は首都マドリッドから高速列車で1時間ほどで行くことができる世界遺産の街クエンカと、そこにあるパラドールをご案内します。

美術館が宙づり?!空中要塞都市クエンカ

クエンカは、大きな2つの川が浸食してできた大きなテーブル状の断崖の上に旧市街があり、この断崖に囲まれている地形のせいで、中世には敵の侵入を阻む「要塞都市」でした。限られたスペースで人々が暮らすため、建物は上へ上へと増築され、日本人の私たちからすると不安定に見える建物がたくさんあります。一番有名なのは「宙づりの家」。文字通り、空中から糸で吊るされたように、崖にせり出して立っている建物です。中世には王家の屋敷だったそうですが、今ではスペイン抽象美術館になっています。

旧市街の中心のマイヨール広場には、13世紀に建造されたゴシック様式の大聖堂が。そして、その周りには、レストランやカフェがたくさんありますので、ランチやディナーをする場所には事欠きません。多くの建物は明るい色に塗られていて、可愛らしい街並みなので、旧市街は歩いているだけで楽しくなります。

旧市街から「パラドール・デ・クエンカ」に行くには、渓谷を渡る細長い赤く塗られた鉄橋を渡らなければなりません。橋の幅は人二人が並んで歩くのがせいぜい、あまり広くありません。橋の真ん中で下を覗き込むと・・・数十メートル下にウエカル川の流れが。この渓谷、かなり深い上に、幅も広いです。何万年にも渡る川の侵食によって、独特の地形ができあがったそうです。

 

【ミステリアスなほど歴史的な建物に快適にステイ】

この「パラドール・デ・クエンカは、元々は16世紀に建てられたサン・パブロ修道院。正方形の建物の真ん中には広々とした中庭(パティオ)があり、テーブルと椅子が並べられ、ランチやお茶ができるようになっています。パラドール正面に向かって左側には礼拝堂がありますが、老朽化したまま手をつけておらず、中に入ることはできません。それがまた歴史を感じさせて、ミステリアスな雰囲気です。パラドールに泊まって欲しい1つめの理由は、これ。「歴史的な建物に宿泊できる」ということです。

こんな歴史的建物でも、部屋まではエレベーターで行くことができます。白で統一されたお部屋からは、先ほど通ってきた赤い鉄橋と旧市街が見えます。寝心地が良さそうなベッド、ソファセット、近代的で清潔なバスルーム。パラドールでの宿泊をお勧めしたい2つ目のポイントは「建物は古い雰囲気だけどファシリティはばっちり」なこと。水周りを始め全体的によくリノベーションされているので、「お湯がでない」等、ヨーロッパのホテルで度々起こりうるようなトラブルを、私はパラドールでは経験したことはありません。

さて、パラドールのお楽しみはこれだけではありません。郷土色いっぱいの食事。その素晴らしさは後編で。

Text/トラベルアクティビスト 真里

世界中、好奇心を刺激する国々を駆け巡るトラベルアクディビスト。外資系金融機関に勤務の後、1年の3分の1は旅をする生活へ。ジョージア、バルト3国はじめ訪れた国は50カ国以上。日本中も巡り、行った先で出会った人、風景、食etc. 旅の醍醐味をレポートします。

 

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