京ごよみ:おひな様 天皇陛下だけに許される文様

お雛様のお衣装が天皇陛下しかお召しにならない装束や皇太子陛下のみが用いる文様で作られているとは!さすが京都のトリビアをご一読ください。

関西在住の京都・歴史ライター 倉松知さとが、
関西発の視点で様々な話題をお届けします。

 

前回、お雛様の飾り方の東西の違いについてご紹介しましたが、
今回はお雛様の着物の柄、文様(もんよう)についてです。

京都では古来からの有職故実(ゆうそくこじつ)に則った
雛(ひな)人形が作られています。
有職故実とは、宮中や武家の儀式や祭礼などの決まり事。
それは調度品や飲食、衣装の隅々までに至ります。
(「有職」とは「知識が有る」「教養がある」という意味もあるそうです)

天保4(1833)年創業、禁裏御用達の司となり、
有職の匠としての歴史を受け継ぐ京都島津さんでは、
有職雛人形が作られています。

有職故実に則って作られる京都のお雛様。
例えば、こちらの天皇・皇后両陛下を模したお雛様。
天皇陛下のお衣装は、「黄櫨染桐竹鳳凰麒麟文」という
天皇陛下しか身につけることを許されない色や
吉祥文様の装束となっています。

実際、この文様は、明治天皇の「即位の礼」の際にも用いられ、
黄櫨染(こうろぜん)の文様には桐、竹、鳳凰、麒麟が。
聖人の出現を告げる古代中国の故事に因んだ
おめでたい文様です。

こちらは皇太子殿下のみが用いることのできる文様、
鴛鴦(おしどり)の文様です。

こうした色彩や文様を大切に受け継ぎ、
お雛様という形で日本文化を未来に受け継ぐ京都の人形店。
その志の高さ、想いの深さに感動します。
季節の行事を通じて日本人が脈々と受け継いできたものを
自分も子供たちに伝えて行けたらいいなぁ……と。

今上天皇が数年後にご譲位され、新天皇が即位される際は、
ぜひ、このお衣装、文様のことを思い出してみて下さいね。

※京都島津では、時代に合った試みも!
店頭ショーウィンドウにはスワロフスキーのお雛様も
ありました!!
So cute!!

協力/ 京都島津

Text/倉松知さと

 

関西在住。キャスター、歴史番組制作、京都情報ポッドキャスト制作などを経て、京都・歴史ライターへ転向。京都歴史ガイドブック『本当は怖い京都の話』(彩図社)ほか、雑誌で歴史エッセイを連載中。京都、歴史ジャンルでのラジオ、テレビ出演、講演なども。日本旅行作家協会会員。個人ブログ『京都に来るなら…』https://ameblo.jp/ciaokyoto/

協力/ 京都島津

 

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