日本でも地ビールからクラフトビールと呼ばれる時代になりましたが、もうずっと前からローカルのブルワリーが造るおいしいビールが根付いているオレゴン州ポートランド。
自ら「ビアバーナ(ビール天国)」と呼ぶほどのポートランドのおいしいビールに魅せられて、会社員から転身、東京で PDX TAPROOMを開いた平松美幸さんにお話を伺いました。
「ポートランドは、高校3年生から大学2年生まで住んでいて、その時にマイクロブルワリー(小規模のクラフトビール醸造所)が造るビールのおいしさを知りました。その後、就職で日本に戻り、PR会社を経て、ポートランドに本社のあるコロンビアスポーツウェアが日本法人を設立するのにマーケティング職を募集していることを新聞で知って応募。98年から勤めました。
その間にも仕事やプライベートでポートランドに行く度に「ああ、この味」とクラフトビールを飲んでいたのですが、当時、日本ではクラフトビールが造られるようになってきていたとはいえ、自分が満足できる味にはなかなか出会えなかったんです。
自分自身、飲んだり食べたりが好きで、いつかお店が持てたら…と漠然と考えていましたが、企業に残るか起業するかを踏ん切りをつける時期になったかなという気持ちになり、2014年にコロンビアスポーツウェアジャパンを退社。約1年半の準備期間を経て「PDX TAPROOM」を神宮前にオープンしました。
準備としては、フードコーディネータースクールに通って業界の勉強をしたり、事業計画書を作ったり。物件探しや内装など、オープン前は想像以上のパワーが必要でしたね。
常時、ポートランドの10種類のTAP(樽生ビール)のほか、瓶・缶のものも提供しています。フードはポートランドのパブでよく見かけるメニューのレシピを自分で再現しています。フムスやタブレなども、ビーガン向けですがビアバーでよく見かけるメニューです。ポートランド発のヨシダBBQソースを使った「BBQ チキンスライダー」や「オリンピアプロビジョンズ イタリアンソーセージ」などポートランドの名店のものも。
開店が月〜金が15:00〜23:00、土・祝12:00〜23:00、日12:00~22:00と早くから開けています。これは、ポートランドでは人々が気軽に昼からビールを楽しんでいる雰囲気があって、東京でもそんな風に楽しんでもらえればよいなと思ったから。ビールを通して、そんなポートランドらしいカルチャーやライフスタイルを提供したいと思っています。
PDX TAPROOM http://www.pdxtap.com
住所:東京都渋谷区神宮前5−30−2、2F
電話:03-6450-5455 Facebook:pdxtaproom
Text/小野アムスデン道子