料理の真髄求めてアマゾンへ グルメ界話題のシェフが綴るエッセイが面白過ぎ! あのテレビ番組にも登場

 

 

 

料理界にもファンが多い、太田哲雄シェフ

 

読みはじめたら面白すぎて止まらず、食事をするのも忘れてしまった……。これはまさに、ジェットコースターエッセイ! 食や旅に興味がある人はもちろん、誰もが主人公のシェフ、太田哲雄氏のダイナミックで痛快な食の冒険に引き込まれてしまうはず。

アマゾンの料理人」というタイトルから思いつく食材は「ピラニア? ワニ?」…と、及び腰になりつつ読み進めるも、太田シェフは、かの「エル・ブジ」やペルーの「アストリット・イ・ガストン」の他、ファッショナブルでダイエットに命をかける有名なミラノマダムのお抱えシェフを務めたなど、食の最先端を渡り歩いてきた華麗な経歴をもつ一流シェフ。そんな彼が、なぜ、アマゾンに……?

 

「僕がエル・ブジから学んだことは沢山ある。(中略)僕は、もっと自分らしい料理を作りたいと思う。料理を作るからには、自分らしさを追求したい。それが自分らしい料理なら、ピッツァでもいい。ミシュランの星にも『世界のベストレストラン50』のランキングにもほとんど興味がない」太田シェフは、世界一予約の取れないレストランでの仕事を離れた後、自身にとっての‘世界一美味しい’を追求する旅に出かけます。

 

エル・ブジで働いていた頃、宿と賄いは与えられたものの無給料だったために、自ら海でタコやムール貝を捕獲していたことも。その土地のものをそのまま調理する技術はそこで培ったとのこと。

 

著書の中では、ピエモンテのレストラン修行中、「ラ・フェルマータ」という家族経営のリストランテで大好評だった「卵プリン」から、ペルーの「老鶏(アヒ・デ・ガジーナ)と唐辛子のペルー風シチュー」、アマゾンの「バナナの芯のセビーチェ、アマゾンの鶏『ガジーナ・デ・ラ・チャクラ』のスープ」「マタマタ(アマゾンのカメ)のスープ」と、移動した土地で生み出したオリジナルレシピが収録されています。

 

このレシピは、読み物としても興味津々。マタマタを解体し、アマゾン川の水で煮込み、味付けをし(アマゾン産唐辛子、塩)、キャッサバでとろみをつけ、アマゾン産コリアンダーを添える。「こんなレシピ、見たことない!」「どんな味がするんだろう」想像が止まらなくなります。

 

そんな未知なる食の引き込まれ続ける中、一番魅力を感じたのは太田シェフの食や‘生きること’に対する考え方なのではないかと思います。

 

太田シェフは、イタリアでもスペインでも、常に料理の原点に想いを馳せ、郷土の伝統料理を深く知るためにその土地の風土や文化を直接肌で感じるために旅を続けているそうです。太田シェフの考える「食の豊かさ」とは、自然の恵みと正面から向き合い、それを血肉にしていくことだといいます。「かつては僕も、最先端のクリエイティブな料理に憧れた。だけど、アマゾンに通うようになって価値観が大きく変わった。アマゾンでは、素材も料理も、驚くほどクリアな味をしていたのだ。調理法はいたってシンプル。食材の旨みが最大限に生きているのがアマゾン料理なのだ。新しい価値観を生み出すことをクリエイティブというなら、それを僕は、アマゾンでやってみたいと思う。ここにある食材を使って、誰も食べたことのないような料理を作るのだ」

 

ペルーでは、カカオの栽培をしている‘カカオ村’を訪問。最高品種のクリオロ種を育てている村で、毎年パリで開催されている‘サロン・ド・ショコラ’では、この村で作られたカカオを使った商品も入賞しているのにもかかわらず、彼らはその栄華から切り離されていると感じたとのこと。Wi-fiも飛んでいない村の長老から「この村を頼む」と頼まれた太田氏は、カカオの恵みを市場を通して村に還元するべくフェアトレードの仕組みをどう作ればよいのか思案。日本で力のあるシェフたちに会い、カカオ村との出逢いから、カカオの食材としての可能性を伝え、カカオの輪を作るべく活動を進めているそうです。

そんな太田シェフの信念の詰まった著書『アマゾンの料理人世界一の‘美味しい’を探して僕が行き着いた場所』ぜひ、皆さんも楽しんでください!

巻末には、ミシュラン東京で2018年二つ星を獲得し、先日行われた「Asia’s 50 best restaurants 2018」では3位に輝いたフレンチの名店、「フロリレージュ」オーナーシェフ川手寛康さんとの対談、「アマゾン “どSツアー”からの生還」も収録!

 

★5月24日放映予定のTBS系「ゴロウデラックス」では、太田シェフが元SMAPの稲垣吾郎さんと一緒に料理をしながら、アマゾンの魅力について語ってくれます!

【予告編はコチラからご覧になれます】

 

 

『アマゾンの料理人 世界一の“美味しい”を探して僕が行き着いた場所』
太田哲雄 著1500円(税別)講談社刊

 

【著者プロフィール】

太田哲雄(オオタテツオ)
1980年、長野県白馬生まれ。19歳で伝手もなくイタリアに渡って以降、料理人として、イタリア、スペイン、ペルーと3ヵ国で通算10年以上の経験を積み、2015年に日本に帰国。イタリアでは星付きレストランからミラノマダムのプライベートシェフ、最先端のピッツァレストランで働き、スペインでは「エル・ブジ」、ペルーでは「アストリッド・イ・ガストン」などに勤務。現在は、料理をする傍ら、アマゾンカカオ普及のため幅広く活動中

 

【太田哲雄さん『アマゾンの料理人 世界一の“美味しい”を探して僕が行き着いた場所』刊行記念

トーク&料理デモンストレーション開催!】

【日時】:6月16日(土)11:00~12:30

【場所】: 湘南 蔦屋書店

詳細はコチラ

 

 

 

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