【お茶特集③】新鮮さ命! 静岡での製茶体験と鮮烈なおいしさに夢中

星野リゾート 界 遠州」で初めて体験した合組で、原茶と呼ばれる単一品種のお茶(品種茶)のことをいろいろと学び https://wlifejapan.com/2018/05/15/tea2/

翌日は、折しも365日で前後たった3日程度しかないと言われる最高の茶摘み日和。

浜松の老舗、長谷川製茶さんの茶畑で茶摘みと製茶の体験に出かけました。

通常5−10回は農薬を使用すると言われるお茶畑ですが、本日の畑はまったくの無農薬。根がしっかりしていれば、7割は収穫できるのであとの3割は虫たちに、という姿勢で栽培されている畑です。この畑の品種「やぶきた」は、明治40年頃に開発され、赤土で酸性土壌の浜松にもしっかりと根付いた50年目の木でした。

煎茶は、先端のみを摘むので、一芯二葉を手で下から一枝づつ摘んでいきます。茶摘み歌でも歌いながらと思いましたが、なにせ初めての体験、摘むのに没頭してしまい、気がつけば籠にいっぱいの茶の葉が。茶葉は新鮮な香りや、きれいな緑色を保つため摘んでから数時間以内に製茶することが求められるとのことで、その場ですぐに製茶体験に移りました。

 

畑の中に設置された青空製茶工房では、蒸さずにさっと5秒から10秒茹でました。煎茶の緑色を残すための作業ですが、このまま放っておくと、茶葉は発酵して赤くなっていくということです。

茹でた茶葉はペーパーで水分を2回ほど吸収し、その後はフライパンで表面の水分を飛ばす、手ぬぐいに包んで揉むように水分を取る。フライパンで水分を飛ばす、揉む、冷ます、煎る、を繰り返しました。この行程を製茶と呼びますが、通常は茶農家が5%まで水分量を減らした「荒茶」と呼ばれる状態にしてから、お茶の仕上げをしてくれる専門家、茶師に持っていき、そこで水分を2%まで減らして、お茶を仕上げるという行程になります。

さて、摘んだ籠いっぱいのお茶は製茶していくうちにどんどんと嵩が少なくなり、最後は両手に収まるほどの量に。そしてよく知っているお茶の形状に変わっていきました。

この作業のおもしろいこと!

赤土で酸性土壌でも育つということは、我が家の庭にもぴったりではないですか。しかも私の住む地域はお茶と同じ椿科の椿の名産地。黙々と手を動かしながらも頭の中は、我が家の庭、茶畑改造計画がムクムクと。

出来上がったばかりのお茶を宝物のように小さな茶筒にしまい、そこからほんの少し茶葉を摘まみ出し、お湯を注ぎました。自分で製茶したお茶を、青空の下の無農薬の茶畑でいただける至福の時。出来上がったばかりのお茶は、普段いただくお茶よりもすこし青臭くて野性味がまだ残った味わいでした。

 

香りの京、味の狭山、色の静岡」と呼ばれる日本茶

また、同じ品種でも、収穫の20日前に被いをかぶせてしまう「玉露」や、一週間前にかぶせる「かぶせ茶」などの畑も見学させていただき、日本茶の繊細さを知りました。

 

この体験でお茶への興味がますます深まり、もっと本格的に勉強したいと思い、また新たな計画を立て始めているところです。

取材協力/ 長谷川製茶 http://hamakitaen.com

星野リゾート 界  遠州 https://kai-ryokan.jp/enshu/

Text/岡本きよみ

食、旅、ウェルネス、美容、カルチャーなどのPR・プロモーション活動、国内外における取材・プレスツアーのコーディネーションを手がけるとともに、企業や自治体向けのレシピ開発等、国内外の旬の食材、郷土食や伝統食など食文化をテーマに活動。日本旅行作家協会会員

 

 

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