冬の味覚の代表、高級魚の「とらふぐ」しかも天然ものを味わいつくして、温泉でゆったり。東京からでも気軽に行けるそんな贅沢なプチトリップをグルメと旅にくわしい草間由紀さんがレポートしてくれました。
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東京から新幹線で1時間半、浜松に到着しました。ここから舘山寺温泉に移動して、グルメとクルージングを満喫する旅が始まります。
寒い季節のご馳走で真っ先に思いつくのがふぐ。とらふぐと言えば下関が有名ですが、実は静岡県浜松市の沖に広がる遠州灘では、天然とらふぐ漁がおこなわれています。延縄漁で釣りあげられるその漁獲量は、全国に流通する天然ものの約6割を占めるそうです。
2月まで旬の天然とらふぐを満喫できる「遠州灘 天然とらふぐまつり」が、浜名湖 舘山寺温泉で開催されていると知り、温泉とふぐ料理をセットで満喫できる「鞠水亭(きくすいてい)」で「華の膳 天然とらふぐづくし」をいただいてきました。
ひれ酒から始まり、皮のサラダ、土瓶蒸し、薄造り、ちり鍋、握り寿司、茶碗蒸し、唐揚げ、そして雑炊でしめるコースは、ふぐをあらゆる調理法でいただける、正に“ふぐの食べつくし”。
薄造りといえども厚めにひかれたてっさは、重ねずに1枚で充分その美味しさが味わえます。
透明感がある乳白色のしっとりとした身を噛んでいくと、だんだんと美味しさがにじみでて、ふくよかな味わいに。これぞ天然ものの醍醐味ですね。
続くちり鍋もしっかりと厚切り。
この艶やかな身は火がとおるにつれて大理石のような白に変化していきます。
淡泊なのに味の深みがあり、お造りとは異なる美味しさに驚きました。
握り寿司、茶碗蒸し、唐揚げ、雑炊と“変化球”でも他の白身魚と一線を画すふぐ。
ふぐ初心者にもふぐ好きにもおすすめしたい、素晴らしいコースでした。
地元「花の舞酒造」のお酒とあわせて、浜松の美食を満喫です。元治元年に創業した蔵元で、静岡産酒米のみでお酒をつくっているそうです。
左の赤いラベルのふくよか純米酒は、全国新酒鑑評会で金賞を受賞。お米の香りと旨みをしっかりと感じられる銘品です。
グルメ以外にも浜松には大人が楽しめるスポットがたくさんあります。
「鞠水亭」の前に広がる浜名湖はマリンスポーツの聖地でもあるのです。特におすすめなのが、5月から10月に楽しめるウォーター・ドライビングやウォーター・グランピング。まるで海外セレブのプライベートクルーズのようなアクティビティーを体験できます。シーズンを過ぎていましたが、クルーズをチャーターしてウォーター・ドライビングに繰り出しました。
湖ですが大海原のような水面をかなりのスピードで走行するクルーザーは、遊園地のアトラクションのようにはねたりゆれたりと、スリル満点。水しぶきもかなりあがっています。
今回のクルーズの目的は弁天島のサンセット。「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」プロデューサーの詩歩さんのSNSでも紹介された鳥居がある風光明媚な場所なのです。
出航時は青い空が広がっていましたが30分ほどして弁天島に着くころには、空が美しい茜色に染まっていました。そしていよいよ日の入り。
沈み行く太陽を背にした鳥居のなんと神々しいこと。心があらわれて清々しい気持ちになりました。
この日はふぐのコースが待っていたのでおとなしく宿に戻りましたが、温かい季節なら食事をしながら湖畔を巡るウォーター・グランピングも楽しそうです。前方のラウンジスペースでスパークリングのグラスを傾けながらケータリングの食事をつまむ、なんて海外ドラマの主人公のような気分にひたれますよね。
約1時間の楽しかったクルーズも終了。宿に戻り、湖を望む温泉露天風呂で身体を温めて素晴らしい天然とらふぐコースを堪能しました。
翌日は、沿線の36施設が国登録有形文化財に登録されている天竜浜名湖鉄道で、情緒あふれるローカル線の旅へ。都田駅では、駅舎がマリメッコで装飾されカフェも併設されていました。駅をでて散歩がてら、「ドロフィーズ・キャンパス」という北欧スローライフの街まで足をのばしました。
いかがでしたでしょうか。
東京からわずか1時間半で、これだけ新しい驚きと発見に満ちた刺激的な旅ができ、浜松の奥深さにふれられました。
鞠水亭 http://www.kikusuitei.co.jp/
オフィスナッツ(ウォーター・ドライビング、グランピング)https://www.office-nats.com/
天竜浜名湖鉄道 https://www.tenhama.co.jp/
文/草間 由紀
PRコンサルタント。食、美容、インテリアの外資ブランドPRを経て独立。ライフスタイル系ブランドのPR・ブランディング会社「fabcomm ファビュコム」を運営。ブログでは、都会型ライフスタイル、食べ歩きに関する情報を更新している。Blog https://ameblo.jp/cuisine-3137301