香港で有名な会員制プライベートキッチンが日本に!とても気になる話題を草間由紀さんがレポートしてくれました。
世界有数の美食の地香港で、グルマンやセレブリティがこぞって通う「CHOY CHOY KITCHEN 」は、キャリアウーマンだったグレース・チョイが2011年に立ち上げた会員制プライベートキッチンです。家族や大切な人のために料理をする母の背中をみて育ったグレースが提供するのは、母譲りの上海、義母から受け継いだ香港の家庭料理のレシピを基に、伝統的中国料理のエッセンスを加えた「おもてなし家庭料理」。一日数組の限られたお客様のため自ら仕入れた食材で構成する旬を感じるコース料理とグレースの温かいもてなしが、美食に慣れたグルマンやセレブリティを魅了し、常に話題の店となっているそうです。
日本の食材の素晴らしさに魅かれたグレースが、香港につぐ第二の夢とあたためていた日本に、今月新店舗をオープン。レシピを日本風にローカライズすることなく、日本の食材を取り入れた新たな挑戦です。いただいたのは、季節や仕入れによって内容がかわるおまかせコース。前菜、魚料理、肉料理、締めの料理、デザートの構成です。
「牛のブリスケットと大根の香港風スープ煮込み」
八角とシトラスの香りが爽やかな、和牛、日本の大根を使った「牛のブリスケットと大根の香港風スープ煮込み」。ピリッと辛味が残る日本の大根と和牛の脂の甘味のバランスが絶妙で、しっかりとしたボディーのカルフォルニアのシャルドネとの相性もとてもよい前菜です。
「伝統的な季節魚の蒸し料理」
香港のお祝いの席に欠かせない魚の蒸し料理。香港では高級魚のハタがポピュラーですが、日本のこの時期には鯛を使っているとのこと。香味野菜をのせて最後に熱々の油を回しかけた香ばしさと、中国醤油がふっくらと蒸された白身の上品な甘さを引き立てています。
「醤油風味の茹で鶏」
オリジナルの醤油ソースに浸し、ゆっくり火入れたした鶏は、一番の人気メニューだそうです。香港では「ご飯泥棒」と呼ばれることもある、上品な醤油風味のしっとりとした鶏肉は思わず香り米をお代わりしてしまった美味しさです。
日本の旬食材を使って伝統的な中国料理の真髄を伝えていきたいというグレースの思いが十二分に反映された印象深いお料理でした。日々の家庭料理の素朴さに、客人を迎えるハレの要素が加わった「おもてなし家庭料理」。シェフズカウンターから料理をするグレイスを眺めていたら、季節の食材を無駄なく使い、家族の滋養強壮を考えた品々を食卓に並べる“母親”の姿がうかんできました。
香港では会員制ですが、日本ではよりハードルが低い予約制なのでぜひお試しあれ。
*ポーション画像は個人的にとりわけたもので店から提供されるボリュームではありません。
CHOY CHOY KITCHEN チョイチョイキッチン
住所: 東京都港区西麻布1-11-13 TEL: 03-6447-0252 完全予約制
http://salt-group.jp/shop/choychoykitchen/
文/草間 由紀
食、美容、インテリアの外資ブランドを経て独立。