季節の行事を旧暦で楽しみませんか?旧暦の端午の節句ならまだ間に合います!刀剣女子、歴女必見の五月人形を山形の由緒ある商家で堪能しましょう!
端午の節句は旧暦だと今年は6月7日がその日に当たります。梅雨入り前後で、各地で田植えが済む頃。少しずつ大気は湿気を帯び、菖蒲の花がしっとりと咲く、そんな季節が本来の端午の節句の時期なのですね。
さて、山形といえば江戸時代、口紅などの原料である紅花(べにばな)交易で財を成した紅花商人が有名です。
紅花商人の中でも山形藩の御用商人の五人衆として数えられた「マルタニ長谷川家」(マルタニ:○の中に谷と表記)の蔵屋敷を活用した『山形まるごと館 紅の蔵』で、今、マルタニ長谷川家所蔵の「五月人形展」が開かれています。
子供の健やかな成長や家内安全、商売繁盛の願いを込められた家に伝わる五月人形の数々。江戸時代の貴重な人形もたくさんありました。
『小鍛治』は、刀剣女子必見。能楽でも知られるストーリーに基づく人形です。
帝に命じられ、新たな刀を作ろうにも相槌を打つ人がおらず、困った小鍛治宗近の前に神の使いである狐が現れるシーンです。
源頼朝や義経などが数多く並ぶことから、かつては源氏の武将が五月人形として人気があったこともうかがえます。
また、源平の合戦の中でも人気のある「屋島の合戦」をモチーフにした美しい屏風は、那須与一ファンにはたまりませんね。
義経ファンには「一ノ谷の合戦」シーンが描かれた部分もぜひ、見て欲しいものです。
この他、鎧甲や、会場でひときわ目を引く大きな和紙製の鯉のぼりも必見です。
この貴重な五月人形展『企画展示 マルタニ長谷川家所蔵 五月人形展』は、令和元(2019)年6月2日(日)まで、山形まるごと館 紅の蔵の『街なか情報館』で展示されています。
紅の蔵には、山形のお蕎麦やお米を楽しめるそば処やイタリアンレストラン、また地元野菜の直売所、お土産など、文字通り山形をまるごと楽しめるスポットです。
山形観光の際にはぜひ、お運び下さい!!
【山形まるごと館 紅の蔵(べにのくら)】
住所:山形市十日町2-1-8
電話 023(679)5101代表
長谷川家所蔵の美術品が、山形美術館でも同じく6月2日(日)まで公開中。松尾芭蕉が描かれた与謝蕪村の『奥の細道図屏風』(重要文化財)なども併せてお楽しみ下さい。
【山形美術館】
Text/倉松知さと
関西在住。キャスター、歴史番組制作、京都情報ポッドキャスト制作などを担当後、京都・歴史ライターへ転向。
歴史ガイドブック『本当は怖い京都の話』(彩図社)ほか、雑誌で歴史エッセイを連載中。
京都、歴史ジャンルでのラジオ、テレビ出演、講演なども。日本旅行作家協会会員。