京LIFE:世界の料理の鉄人 初の日本直営店は京都に!

世界中で独創的な日本料理を発信する和食の鉄人・森本シェフが満を持して京都店をオープン!京都からのリポートです。

 ニューヨークをはじめ、ラスベガスやホノルルやフロリダ、ドバイ、ムンバイ、メキシコシティなど世界中に17のレストランを展開し、独創的な「和食」を世界に発信する日本人シェフ森本正治さんが、9月27日(金)、世界の観光都市・京都は先斗町(ぽんとちょう)に自身初となる日本直営店「Morimoto KYOTO」をオープンさせました。四条大橋からすぐの所にあるお店。眺めの良い鴨川べりの2階席からは、あの「南座」が間近に見えました。

京町家のお店の前で 森本シェフ。

森本シェフといえば、人気番組『料理の鉄人』の3代目「和食の鉄人」に抜擢され、その後、アメリカ版の同番組『Iron Chef America』にも出演。一躍全米で人気を博し、アメリカで最も有名な日本人として知られています。先斗町を行き交う外国人観光客は森本シェフに気付く人が多く、興奮気味の方も見受けられました。さすが、世界の森本さんです!

シグニチャー(看板料理)のひとつ「甘辛スペアリブ」。
小イカの天ぷらと季節のサラダ。

伝統の日本料理・和食に海外のエッセンスを取り入れ、他では決して真似の出来ない料理を創造する森本シェフの評価は高く、そのお店には世界中のセレブが押し掛けるほど。

また、常連客である元米国大統領のオバマ氏や大統領食事会、メジャーリーグで活躍中の大谷翔平選手、テニス界からは錦織圭選手やヴィーナス・ウィリアムズ選手他に食事提供を行うなど、アメリカでは絶大な人気を誇っています。

カウンター・キッチン風景。鴨川が目の前に広がる

さて、オープンに先立って夕暮れ時に開かれたレセプションパーティー。京町家のお店に一歩踏み入れるとスタッフの皆さんのキリッと張りのある声が響きます。真新しいカウンター、活きの良い食材、大きな窓からは鴨川が一望できました。来夏には床(ゆか)も出る予定だそうです。

2階はシックで落ち着いた雰囲気。京町家らしい太い梁が印象的で、窓からは歌舞伎の聖地・南座がよく見えました。それくらい、四条通りから入ってすぐという素晴らしいシチュエーションです。

シグニチャー(看板料理)のひとつ「本鮪トロのタルタル」。

お料理は、全世界の森本シェフのお店で人気のあるシグニチャーの数々が! さぁ、世界のMorimoto styleを体験します!

 人気の「本鮪トロのタルタル」は、彩り豊かでユニークな盛り付け方。トロのディップが順に並びます。ワサビ、サワークリーム、岩のり、アボカドのクリーム、タデ、九条ネギ(京都らしい!)、粒あられ。

 食べ方もユニーク。まず、もんじゃ焼きのコテのようなものにトロをのせ、その上に隣り合った複数のディップをお好みでコテですくって、そのままパクリといけるのです。ちょうど味覚を感じる舌の所に味わい深い部分がのって、今までにない初めてのトロの食べ方に目から鱗が…。一品目から驚きました。

 ある方曰く、外国ではなかなか生魚が受け入れられず、こうしたトロの食べ方を森本さんが考案したお陰で、今や世界中で多くの人々が生のトロを愉しめるようになったとか。

 いきなり「これが日本の食べ方だ」と押し付けるのではなく、現地の人にどうやってアプローチすれば日本の食を楽しんでもらえるか、その道筋を森本さんはずっと考え続けて来られたのですね。

石焼きブリビビンバ ブリを石焼きすると絶妙の焼き加減に。

こちらのビビンバはお肉ではなくブリで!石焼きしたブリとスパイスの効いたご飯が調和して、これまた新感覚でとっても美味しかったです。

京都の市場に集まる最高級和牛も登場。

「昔、僕たちが若いころ、デートでイタリアンに行ったでしょ。それは“イタリアン”が格好いいからで。でも今、その逆が世界中で起きてるんだよ。森本シェフの“和食”をデートで食べに行くのがクール!それって嬉しいよね!」という感想を抱く出席者も。また「たこ焼き」から「パン粉」に至るまで、様々な日本の食に関する言葉があちらでそのままで通じるようになっているのも、森本シェフの貢献度がかなり高いとか。現地での森本さんの影響力は想像以上のようです。

インタビューに答える森本シェフ。

そんな森本シェフに、和食の大家が待ち構え季節感なども重要視する京都で、新店をどんな風にして行きたいか質問した所、「旬の素材だからといって、右に倣えで皆と一緒のことをするのではなく、逆に何か違うことを考えオンリーワンの料理をお客さんのために考えたい。世界中、どこにいっても僕は同じスタンス。つまり、既成概念を一度壊し、そこからお客さんを楽しませるために何が出来るか、いろんな味の可能性を創造したい」とのお答えでした。また、京都やその近郊には素晴らしい食材、文化が多く、京都で出来るスペシャルなホスピタリティーをこれからチームみんなで目指して行きたいとも仰っていました。

 そう言えば、お皿を見ると、京都のお隣・滋賀県の信楽焼でした。森本さんが陶芸作家さんの所まで直接足を運んでこの店のために用意したのだそう。

 森本シェフ×京都や周辺地域とのフュージョンはもう始まっています!

世界の森本シェフが創造する、京都店ならではのお料理&スタイルがどんどん広がって行くのが楽しみですね!

【 Morimoto KYOTO 】
住所:京都市中京区先斗町通四条上る鍋屋町232番
電話番号:075-746-7718
https://www.morimotokyoto.jp/jp/

Text/倉松知さと 

関西在住。キャスター、歴史番組制作、京都情報ポッドキャスト制作などを担当後、京都・歴史ライターへ転向。

歴史ガイドブック『本当は怖い京都の話』(彩図社)ほか、雑誌で歴史エッセイを連載中。 京都、歴史ジャンルでのラジオ、テレビ出演、講演なども。日本旅行作家協会会員。国際京都学協会会員。

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