京LIFE 京菓子の老舗が茶寮をオープン 和菓子職人の技を目の前で

 西陣の地で、数々の寺院や茶道家を支え、また、地元の人々の暮らしに潤いを与え続ける老舗「千本玉壽軒」が、令和2年10月14日(水)、西陣の地に茶寮をオープンさせます。早速プレオープンの日にお邪魔して来ました。

 店名は「茶寮SENTAMA」。千本玉壽軒を地元の方は「千玉さん」と親しみを込めて呼ぶことに因んでいます。

千本玉壽軒

 茶寮は、本店の北隣。お店には開店を祝うお花が多数届いていました。

二階に上がるとカウンターが目に飛び込んでくる
床の間や天井の梁は古材を活かしている

お店は二階に。階段を上がると、カウンター、奥にはテーブル席が。戦前から残る木造家屋は天井が高く、太い木の梁や床柱などはそのまま活かされています。

菓子を目の前で作ってくれる。職人技をこの距離で見ることが出来るとは。

 早速、カウンター席に座り、目の前でご主人に季節の菓子を作っていただきました。この距離で、職人技を見ることが出来るなんて・・・・・・。

茶道のお点前も

さらに、茶道のたしなみのあるご主人自ら、お茶を点てて下さる・・・・・・。

 お茶と御菓子、両方を目の前で・・・という所は、おそらく京都広しと言えどもここしかないと思います。なんて贅沢なんでしょう・・・・・・。

お菓子は、栗きんとんと丹の幸

 今日の御菓子は「栗きんとん」。そしてオープン記念にと添えられた「丹の幸」。大きめの篩でこしたきんとんは、野趣あふれる一品。秋の味覚、栗の美味しさが口の中に広がります。

「丹の幸」とは、京都近郊の丹波地域で採れた丹波の黒豆や大納言小豆など、丹波の幸を詰め込んだ一品。上用生地にそれらを練り込み、蒸して、さらに表面を焼くなど、手の込んだ御菓子です。

 黒豆や小豆、栗など素材の美味しさが口の中で変化し、楽しい御菓子でした。まさに口福(こうふく)・・・・・・。

 さらに、ご主人や、偶然同席した方々との会話を楽しみながら、まさに茶道の一期一会を感じながらのひとときに、心は落ち着き、身も心も温かくなりました。

 今月はハロウィンの和菓子も登場。職人さんの層が厚い千本玉壽軒さんならではの、様々な世代に届く和菓子が楽しみです。お茶もお抹茶の他、煎茶、ほうじ茶と選べたり、粒あん(白玉のせ)・こしあん・さつまいもんと3種盛りが楽しめる特製の最中も季節の餡が楽しみです。

 落ち着いた雰囲気で、あまりの心地よさになかなかおいとま出来ませんでした。

最後に、ご主人と息子さんの奥様(お嫁さん)に、特別にマスクを取ってお写真を撮らせていただきました。

お店は千本今出川交差点を上がった所。

カウンターにはアクリル板を設置するなど、感染対策も十分配慮されています。

北野天満宮や上七軒、千本釈迦堂が近いので、天神さんの縁日や、これから紅葉狩りの帰りにちょっと一息いかがですか?

茶寮SENTAMAでのひとときは、きっと、心に潤いを与えてくれますよ。

茶寮SENTAMA

住所:京都府京都市上京区上善寺町千本通今出川上る93

電話:075-461-5747

営業時間:10時~16時 定休日:水曜

※階段あり、靴を脱ぐので靴下だと安心です。

千本玉壽軒HP

http://sentama.co.jp/

電話:075-461-0796

営業時間:8時30分~17時(定休日:水曜日)

Text /倉松知さと 

関西在住。キャスター、歴史番組制作、京都情報ポッドキャスト制作などを担当後、京都・歴史ライターへ転向。

歴史ガイドブック『本当は怖い京都の話』(彩図社)ほか、雑誌や児童書でも執筆中。京都新聞では医療記事も担当。

京都、歴史ジャンルでのラジオ、テレビ出演、講演なども。日本旅行作家協会会員。

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