海外旅行は我慢の今。時には今度に行く時のことを夢見て、またかつて行った旅先に思いを馳せてエア旅をしませんか?海外観光局に、日本からエア旅に行くためのとっておきの方法と、観光局だから聞けるレアな現地情報をうかがってきました。それではエア旅でシンガポールへGO !
回答:シンガポール政府観光局 北アジア局長のマーカス・タンさん
1.これ観たらもう気分はシンガポールっていう映画は?
日本で近年公開された映画では:
『家族のレシピ』(2019年)主演は斎藤工さん、松田聖子さんも出演のシンガポール映画で、一般庶民の暮らしが垣間見られます。
『名探偵コナン 紺青の拳』( 2019年)主な観光地がアニメに描かれています。
シンガポールがフードパラダイスというのが分かる『家族のレシピ』はおすすめです。シンガポールグルメが数々登場。ストーリーではバクテー(肉骨茶)と日本のソウルフード“ラーメン”がコラボしたラーメンテーが人と人を結びます。
2.お酒を飲みながらシンガポールオのエア旅にふけるなら…?
日本で購入できるお酒ではタイガービールがあります。バーベキューポーク(バクワ)というポークジャーキーのようなおつまみは相性ぴったり。中でもチリ味は甘辛の味でビールにもあうと思います。バーベキューポークは、銀座にある「Bee Cheng Hiang 美珍香」で販売していて、通販で買うこともできます。
Bee Cheng Hiang 美珍香 https://www.facebook.com/beechenghiangjapan/
シンガポールの名前のついたお酒なら「シンガポールスリング」があります。ラッフルズ・ホテルで生まれたジンベースのカクテルですが、フルーツジュースが入っているので、飲みやすくお勧めです。
3.お茶しながらシンガポールのエア旅にふけるなら…?
日本にはシンガポールブランドの紅茶2種類が入っています。TWGティーとグリフォン・ティーです。どちらもフレーバーティーが有名です。その日の気分でフレーバーを選んでお好みのお菓子といっしょにティータイムを過ごすのがいいですね。
午後のスナックとして、おすすめはカレーパフ。さくっとしたパイ生地にカレー味のポテトが入っていて、小腹がすいた時にもいいですね。お茶やコーヒ―、ミロにも合いますよ。カレーパフは、西新井にあるカフェ「リトルマーライオン」で食べることができます。
リトルマーライオン https://en.littlemerlion.jp/
4.エア旅シンガポールに欠かせない文化といえば?
中国、マレー、インドなどの影響を受けた多様性が生み出したフードは、シンガポールの文化。シンガポールのホーカー(屋台)カルチャーは昨年12月にユネスコの無形文化遺産のリストに入りました。ホーカーは、シンガポール人にも欠かせない食とコミュニケーションの場ですが、観光客にとっても美味しい食と地元の体験ができる場としてお勧めできます。伝統的なシンガポールの料理を出しているホーカーに混じり、最近では若い人がホーカーに進出し、伝統的な料理からフュージョン料理をだしてもいて、ホーカーのグルメもバラエティに富んでいます。
5.シンガポールの美と健康の秘密とも言えるのは?
上質なスパが入るホテルがシンガポールにはたくさんあるので、シンガポールに来たらスパで美磨きもいいですが、シンガポールの人は健康と美のことを考えて、漢方や東洋の考え方を普段の生活に取り入れています。たとえば、栄養素はがたっぷりの燕の巣は、スープにしたりドリンクにしたり。漢方薬薬局の余仁生(ユーヤンサン)などもよく利用しますよ。
6.シンガポールのデザイナーによるファッションが注目とか?
おしゃれ関連では、シンガポールの国内ブランドが60以上も揃う「デザインオーチャード」という店が数年前にオーチャードロードにでき、シンガポールのローカルデザイナーの服からインテリアや雑貨まで販売しています。コスメなども置いていてぜひチェックしてほしいですね。
デザインオーチャード Design Orchard https://www.designorchard.sg/
7.2021年は日本とシンガポールの外交樹立55周年。さまざまなキャンペーンが予定されているとか?
シンガポール政府観光局では2021年を「SJ55」と称し、日本でのシンガポール体験をいろいろご案内していく予定です。今、国際映画祭受賞作品を含むシンガポール映画計6本を、動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」で配信中です。また、東京のシンガポール料理店やショップでのスタンプラリーや大手スーパーマーケットとコラボのシンガポールフードの販売やビデオゲームやオンラインで楽しめるシンガポールコンテンツの提供などいろいろ計画中ですので、楽しみにしてください!
NETFLIX(ネットフリックス)日本 https://www.netflix.com/jp/
*視聴にはネットフリックスへの加入が必要です。
今年は、シンガポールと日本にとって特別な年だったのですね。最後に改めてシンガポールの基礎情報と読者に一言をお願いします。
シンガポールは、マレー半島の南端に位置し、東京23区より一回り大きいくらいの面積です。東京からは7時間ほどの飛行時間で、時差は1時間。気候は常夏です。
中国系、マレー系、インド系の多民族国家で、食、観光、買物など、多民族の多彩な魅力を楽しめます。
コロナで現在のところは日本からシンガポールに入国するにはは、長期滞在パスが必要などの制限がありますが、ワクチンの接種が今後進みワクチンパスポートを共有するといった構想もありますし、事態はよくなっていくと期待しています。シンガポールでは感染経路など管理されていますし、香港とは隔離無しで相互渡航を認める「トラベルバブル」が同意されましたが、感染状況を考慮し開始を延期しています。
SJ 55のキャンペーンで、日本の方にシンガポールの魅力をより知っていただき、早く皆様をお迎えできる日が来るように期待しています。
シンガポール政府観光局 https://www.visitsingapore.com/
回答:シンガポール政府観光局 北アジア局長のマーカス・タンさん
シンガポール国立大学を卒業後、シンガポール政府観光局には2006年に入局。ビジネスイベントサービスやビジネス開発のマネージャーを経て、総理府のパブリックサービス局における海外開発プログラム(中国)に選出され、2011年から2014年の3年間は中国南部、香港、マカオ地域の地域支局長に赴任。その後、本局にてMICEのマーケティングを局次長として手掛け、2015年4月にシンガポール政府観光局北アジア局長に着任。日本に滞在し6年目となる。
Text/小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。インバウンド・コンサルタント。日本旅行作家協会会員。