ホリデーシーズンは色彩豊かで心躍る舞台を! 年末年始も上演、バレエ『くるみ割り人形』

クリスマスが間近に迫る12月に入り、いよいよホリデーシーズンがやってきます。この特別な季節にふさわしい新国立劇場バレエ団の『くるみ割り人形』を紹介します。
top画像:雪の場面。美しいコール・ド・バレエ(群舞) 撮影:鹿摩隆司

日本で唯一、国立劇場付きのバレエカンパニーである新国立劇場バレエ団。華がある実力派のダンサーばかりで、日本最高峰のステージで観客を魅了します。英国ロイヤルバレエのプリンシパルとして世界で活躍した吉田都が、舞踊芸術監督に就任してシーズン2年目を迎えました。今年のゴールデンウィークはコロナ禍で無観客ライブ配信を行い、全4日の公演で計16万人以上が視聴した『コッペリア』は大反響となり、新たなバレエファンが生まれました。ダンサーとの絆も深まり、苦しい時期を経て吉田都芸術監督のヴィジョンやディレクションがますます反映される今後の舞台に注目です。

新国立劇場バレエ団の『くるみ割り人形』は、クリスマスシーズンになると例年上演されてきました。今年は公演日程が年越し、お正月まで続き、対象公演の観客全員に来場者プレゼントや抽選会の企画も用意され、ツリーなどが飾られる劇場の雰囲気とともに特別感が愉しめます。

今回の作品は、新国立劇場が20周年を迎えた2017年に、シーズンオープニング作品として初演された新制作『くるみ割り人形』の再演です。吉田都芸術監督のもと、再演を重ねた舞台がさらに磨き上げられて蘇ります。

クリスマス・イヴ、クララの家  撮影:鹿摩隆司

 

初演の振付は、ウエイン・イーグリング。自身もかつて英国ロイヤルバレエのプリンシパルを務め、古典作品のみならずケネス・マクミラン、フレデリック・アシュトン、ジョージ・バランシンといった現代的な作品でも振付家に愛され、称賛を得た存在でした。作品の創作に携わるようになり、ダンサー引退後は、オランダ国立バレエやイングリッシュ・ナショナル・バレエの芸術監督、振付家として数々の作品で好評を得ました。

イーグリングの目が離せないような、華麗かつスピーディな振付に観客は魅了されました。チャイコフスキー作曲の「三大バレエ」と呼ばれる古典作品が、日本人デザイナー達による川口直次の舞台装置、前田文子の衣裳、沢田祐二の照明とともに、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような目眩く世界観で表現されました。その舞台を再び同じスタッフプロダクションで観ることができます。

『くるみ割り人形』は、くるみ割り人形をクリスマス・イヴの日に謎めいたドロッセルマイヤーからプレゼントされた少女クララの夢の物語です。邪悪なネズミの王様がクララを襲うと、くるみ割り人形が救いにやってきます。

ねずみの王様。怖くてスタイリッシュなコスチューム  撮影:鹿摩隆司

イーグリング版では、くるみ割り人形はクリスマス・イヴのパーティでほのかにクララが恋心を抱いたドロッセルマイヤーの甥に姿を変えます。音楽が有名な「葦笛の踊り」は、「蝶々の踊り」になっています。ラストにクララはこんぺい糖の精になって、甥が変身した王子と美しいグラン・パ・ド・ドゥを踊ります。そして、クララは寝室で目覚めます。

こんぺい糖の精(クララ)と王子のグラン・パ・ド・ドゥ(2019年公演 撮影:鹿摩隆司)

新国立劇場バレエ団が誇るプリンシパル・ダンサー、ソリストたちの主要キャストの踊りはもちろん、新国立劇場バレエ団ダンサーたちによるコール・ド・バレエ(群舞)も見どころです。

今秋に上演された『白鳥の湖』のコール・ド・バレエもひとりひとりのダンサーが白鳥に変えられてしまった娘たちとして、自分のストーリーを背負いながら踊り演じていて、情景が伝わる圧巻の美しさでした。『くるみ割り人形』でも雪の場面や「花のワルツ」は、ホリデーシーズンの思い出に残るような舞台を魅せてくれることでしょう。

まるで、お花畑のような「花のワルツ」の場面 撮影:鹿摩隆司 

 

2021/2022 シーズン 新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』

The Nutcracker and the Mouse King

公演期間:2021年12月18日(土) ~ 2022年1月3日(月) 全12回公演 

会場:新国立劇場 オペラパレス

予定上演時間:約2時間15分(休憩含む)

芸術監督:吉田 都

振付:ウエイン・イーグリング

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

出演:新国立劇場バレエ団

主要キャスト:

クララ/こんぺい糖の精 

小野絢子、米沢 唯、池田理沙子、木村優里、柴山紗帆

ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子 

井澤 駿、奥村康祐、福岡雄大、渡邊峻郁

*最新情報、公演日程詳細、主要キャストの出演日は公式サイトをご覧ください。

*やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合があります。

公式ウェブサイト

https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/

料金:S席 13,200 円、A席 11,000 円、B席 7,700 円、C席4,400円、D席3,300円 他

チケット申し込み

新国立劇場Webボックスオフィス http://pia.jp/nntt/

新国立劇場ボックスオフィス TEL: 03-5352-9999(10:00~18:00)

Text / マドモアゼル安原

エンタテインメント・ザファースト EntertainmentTheFirst 代表。CS放送舞台専門局、YSL BEAUTYのAD/PR/SPマーケティング、文化系雑誌マネージングエディターを経験。これまでのインタビュー人数は、舞台・音楽のジャンル、宝塚歌劇トップスター、海外アーティスト含む100人以上。ペンネームのマドモアゼル安原で「旅×エンタメ」コラム執筆中。エンタテインメントするWebメディア
 StarringMAGAZINE  https://www.starringmagazine.com/

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