フランスの食文化を普段の生活に取り入れると、食卓がぐんと楽しくなる

フランス大使公邸にて行われたフランス高級食材に特化した新たなイベント、フレンチガストロノミーの祭典 Food Experience 「フランス、美食の余韻」へ。

世界遺産に登録されたフレンチガストロノミー、フランス食材の特徴は、それ自体のクオリティは勿論、その味わいのストーリー=“余韻”にあるといえるのではないでしょうか。ワインのロングフィニッシュのように、口に含んだ瞬間の香りや味わいから、色彩豊かなフランスの風景が脳裏に広がり、じんわりと作り手の思いが伝わり、食材が辿ってきた長い歴史が思いおこされる… そんな余韻を放つこだわりの食材・飲料をフランス大使館でご紹介いただきました。 

フランスで歴史あるブランドから、次世代の作り手が担うフレンチ食材・飲料など、13社、計15ブランドが参加しました。

在日フランス大使館 貿易投資庁ビジネスフランス貿易投資参事官ティボー・ファーブル氏より開会の挨拶がありました。

「日本には厳しい目をもつ消費者が多く、ミシュラン星つきのレストランも世界でトップクラスであり、高品質で美味しさを追求したフランスの食品は日本人の審美眼に叶うであろう。」とティボー・ファーブル氏。

最初にご紹介いただいたのは、

ル・コック・トケ  Le Coq Toqué! 】

ノルマンディー出身のスタートアップがオーガニックフルーツジュースを刷新しました。

2016年、地元愛を共有する2人組が、ノルマンディーのりんご園を取得、100%オーガニックのフルーツジュースを大胆なレシピで刷新する「ル・コック・トケ」ブランドを立ち上げました。フランス産オーガニックジュース&ネクターは、果実を凝縮しハーブやスパイスで 香り付けした新感覚ジュースです。

レトロスタイルの牛乳瓶フォルムでポップで可愛らしいです。

フレーバーフルーツジュース、ノルマンディー産シードル、有機りんごベースのスパークリングなどフレーバー展開は全18種。ミント、バジル、シナモン風味のりんごジュー3種、アプリコット、洋ナシのネクター2種が上陸しました。

4種を試飲し、特に印象に残ったのが「オーガニック ウィリアムズペア ネクター」 口の中で転がしてよう梨のキュベが感じられ丸ごとウィリアムペアを味わっているようです。


Le Coq Toqué! : https://www.lecoqtoque.com/

輸入:(株)尾賀亀 https://www.kaigai-ogacame.com/

次は、フランス産スパークリングモダンミード【ブル・ド・リュッシュ Bulles de Ruche】。

ミードとは、ハチミツと⽔を発酵して造られるお酒のことで、世界最古のお酒ともいわれています。「ブル・ド・リュッシュ(Bulles de Ruche)」のモダンミードは、ヨーロッパのイノベーターにより造られたスパークリングタイプの新しいミードです。

⾹料や砂糖は⼀切使われておらず、グルテンフリー。アルコール分が5%前後と控えめで、健康志向の方にもおすすめです。

トップソムリエでワインディレクターの田邉公一氏によるテイスティングセッションが行われました。花蜜ごとに異なるアロマを放つスパークリングミードは、従来のはちみつ酒とは一線を画す、軽い口当たりの繊細さを放つドリンクです。
アルコール度数の低い軽快なスパークリングドリンクで蜂蜜のフローラルな面が際立っています。ブルドリュッシュ ラベンダーの、白い薔薇のようなしっかりとした香りを楽しみました。
同郷のマリアージュでチーズ等とも好相性です。

スパークリングミードはアルコール、カロリーともに控えめ(アルコール度数 4.5%、砂糖含有量0.34g/L)で、細かい泡とともにハチミ ツの香りが立ちのぼり、軽い口当たりと上品な味わいが楽しめます。ブランド名のブル (Bulles) はフランス語で「泡」を、リュッシュ (Ruche)は「ハチの巣」を意味しており、ラベルに施されたミツバチやハチの巣のモチーフにフランスらしい遊び心があふれ、シャンパーニュのようなエレガントな佇まいが魅力的でした。

Bulles de Ruche:https://bullesderuche.fr/

輸入:(株)ミラベル https://thedelicious.shop/

イル・ド・レ ショコラ Ile de Re Chocolats 

フランス西部、大西洋に浮かぶレ島のショコラブランド「イル・ド・レ ショコラ」。こだわりのカメルーン産カカオや、希少性の高いフランス・レ島の高級塩フルール・ド・セル(塩の花)、シャラントポワトゥのAOPバターなどを使用した味わい深いショコラをご紹介いただきました。

イル・ド・レは、フランス西部 大西洋に浮かぶレ島と、レ島に続く港町ラ・ロシェルにファクトリーを構えています。レ島はフランス西部の大西洋に浮かぶ小さな島で、レ島とその周辺は塩やバターなど高品質な食材がたくさんあり、ローカルな素材を活かし、またカカオの品質にもこだわって作られるショコラです。

フルール・ド・セルとはフランス語で「塩の花」のこと。

レ島は、ブルターニュのゲランドや、プロバンス地方のカマルグに並ぶ、フルール・ド・セルの産地で、良質な塩田から伝統的な製法で作られる希少性の高いレ島のフルール・ド・セルは、フランス国内でも「IGP」(indication géograghique protégée)という規格で保護され、珍重されているそうです。

柔らかな甘みを含んだフルール・ド・セルは、香り高いカカオとの最高なマリアージュをみせてくれます。

塩プラリネミルクなど、ほんのり効かせた塩がカカオや素材を引き立てる味わいに仕上げています。

「or blanc(白い金)」と称されるレ島の名産「フルール・ド・セル(塩の花)」に、ポワトゥー=シャラント(Poitou-Charentes)地域のAOPバター、丁寧に厳選された高品質のカカオ…鼻腔に抜ける上質なカカオの香りとバターのコク、上品な塩味の虜に。

職人がひとつひとつファクトリーで作りあげるショコラの数々。

地元レ島の素材の魅力やオーナーショコラティエのこだわりが詰まった味わい深いイル・ド・レのチョコレートは、バレンタインの期間に日本でも購入できます。

Ile de Ré chocolats : https://iledere-chocolats.com/

ジェイ・ワークス株式会社https://www.j-works-net.co.jp/

メゾン・エル― Maison Hérout

ノルマンディー、コタンタン半島で1946年創業、フランス文化遺産シードルAOC認定

ノルマンディー、コタンタン半島のオヴェールにて1946 年より最高級の オーガニック シードルとカルヴァドスを生産しています。

シードル発祥の地、フランス・ノルマンディーコタンタン半島で1946年創業の最高級のBIOシードルを生産してきた先駆的存在のメゾン・エルー。

「野生酵母のみを使用」、「加熱殺菌しない」、「加水しない」、「炭酸ガスを注入しない」、「瓶内二次発酵」を全て守った伝統的な古来製法により1本ずつ丁寧に手作業でシードルを生産しています。フランス国内でもこの古来製法で造られているシードルはわずか2%という貴重な存在。

HEROUT (エルー)が古来製法にこだわるのは、シードル醸造文化という遺産を未来へ大切に残していきたいと考えているからだそうです。

美しいイエローオレンジの色合いと繊細な泡で味わいはしっかりとしたタンニンの骨格が苦味を運んできます。

AOC カルバドスのオーク樽で3カ月以上発酵させ、しっかりとアルコールとタンニンを含んだ、芳醇な香りを漂わせた繊細なシードルです。

AOCコタンタンのパイオニアが自社農園にて有機農法で育てた地域特有品種のりんごを材料に、野生酵母、非加熱殺菌、炭酸ガス無添加、瓶内三次発酵による古来製法の辛口シードル、無着色の自然派カルヴァドスなど 1 本ずつ丁寧に手作業で製造しています。

Maison Hérout : https://www.maisonherout.com/

エル―・ジャポン : https://heroutjp.net/

ラベリ LABEYRIE

フォアグラの一大産地から高品質のテリーヌやリエットを一貫生産

LABEYRIE(ラベリ)は、フォアグラの産地で有名なフランス南西部ランド県で1946年に設立、伝統的な高品質のフォアグラを生産し続けています。地元の契約農家と共に家鴨の品質管理を徹底し、自社工場で製造まで一貫して行いトレーサビリティを明確にしています。以前、成城石井で購入し、ホームパーティで好評だったのを思い出しました。

LABEYRIE : https://www.labeyrie.com/


サン ミッシェル St Michel

良質の素材、素朴なレシピで愛される焼き菓子の老舗ブランドです。

ガレット、ビスケット、マドレーヌなど焼き菓子の老舗、サン ミッシェルは1905年にパティシエのジョセフ・グルリエによって設立されました。設立以来、材料にこだわり、変わらないオリジナルレシピで、フランス国内で作られるお菓子は世界中で愛されています。サン ミッシェルのロゴであるニワトリは、素材の品質の良さ、田舎の素朴さ、そしてフランスそのものを象徴しているんだそうです。

絶品マドレーヌが簡単な調理で完成するのでレストランの看板メニューにおすすめです。

St Michel : https://www.stmichel.fr/

フレンチのエスプリをぎゅっと凝縮した食材に出会い、フランスの食文化を普段の生活に取り入れると、食卓がぐんと楽しくなることに気づきました。よい食材は食卓に彩りを添えてくれのだと思います。

以前、フランス在住の友人からフランスは食材のクオリティが高くとにかく美味しいから、調理はシンプルを心がけているという話しを聞いたのですが、今回、様々なフランスの食材をご紹介頂き、その意味が理解できたように思います。

Text /佐保田 香織

総合商社→流通コンサルタントを経て幼い頃から親しんだ和の世界へ。きものサロンを主宰し、着付けのマンツーマンレッスンや着物イベントを企画。着物で食べ歩きをするなかでフードアナリスト資格を取得し、フードアナリストとして商品開発やメニュー開発、メディアでの情報発信など食の分野でも活動している。 

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