【観光局に聞きました⑪】エア旅でチェコに行く7つの方法

海外旅行は我慢の今。時には今度に行く時のことを夢見て、またかつて行った旅先に思いを馳せてエア旅をしませんか?海外観光局に、日本からエア旅に行くためのとっておきの方法と、観光局だから聞けるレアな現地情報をうかがってきました。それではエア旅でチェコへGO !
トップ画像:チェスキー・クルムロフ©Botond Horvath/shutterstock

回答:チェコ政府観光局日本支局長 シュテパーン・パヴリークさん

1.これ観たらもう気分はチェコっていう映画は?

少し古いですが、チェコやプラハの景色は、テレビドラマ『のだめカンタービレ in ヨーロッパ』を見て知ったという方も多いのではないでしょうか?プラハ街並みや音楽に関連する場所がたくさん出てくるので行った気分になれると思います。

市民会館、スメタナホール © Pavel Dosoudil

タイムスリップしてみたい方は、映画『アマデウス』(1984 年)も。モーツアルトの生涯を描いたこの映画では、同じくプラハがたっぷりと堪能できるほか、クロムニェジーシュの豪華なお城なども登場します。

チェコの文化を堪能したい方は、チェコアニメもオススメです。チェコ語が分からなくても楽しめますし、チェコのホテルでテレビを付けたらこんな番組をやっていた!という気分になれるかも?!

https://youtube.com/playlist?list=PL1cpez5jRHoCHHeKfGWT-rVU4juYJlKop

2.お酒を飲みながらチェコへのエア旅にふけるなら…?

チェコといえばなんと言ってもビールです。2020年は一人当たりの年間ビール消費量が135リットルと世界一の地位を保っています。

特に有名なのがピルスナー・ウルケルビールですが、4月からは首都圏で缶のウルケルが通年販売されるようになったので、Stay Home期間中にも手軽にチェコビールを楽しめます。

ビールに合わせて食べるなら、酢漬けのソーセージ「ウトペネツ(水死体の意味)」や、チーズのマリネ「ナクラーダニー・ヘルメリーン(Nakládaný Hermelín)」、チーズを丸ごと揚げた「スマゼニー・スィール(Smažený sýr)」、じゃがいものパンケーキ「ブランボラーク(Bramborák)」がオススメです。

最近はチェコワインもビールと同じくらい高い評価を得るようになってきていて、日本でもオンラインでチェコワインを購入することができます。

フレビーチェク © CzechSpecials

白ワインと合わせるなら、簡単に作れるオープンサンドの「フレビーチェク(Chlebíček)」、赤ワインなら定番のグラーシュなどの煮込み料理が合うと思います。

チェコワインを購入するなら

プシトロス https://pstros.ocnk.net/

P&Mチェコ https://www.pm-czech.co.jp/

レストランでチェコ料理を味わうなら

だあしぇんか(四谷三丁目、東京) http://www.sugidaimon.com/daashienka.html

セドミクラースキー(代々木上原、東京) http://sedmikrasky.com/

3.お茶とお菓子でチェコへのエア旅にふけるなら…?

チェコはかつてオーストリア・ハンガリー帝国下にあったので、お菓子もバリエーションも豊富です。ゆっくりとお茶をしながらだったら、マーブルケーキの「バーボフカ(Bábovka)」や菓子パンの「コラーチ(Koláč)」、クリームロールの「クレムロレ(Kremrole)」などがオススメです。

コラーチ © CzechSpecials

日本でチェコのお菓子を手に入れるのは簡単ではありませんが、 チェコのお菓子屋ツックルさんのオンラインショップで季節のお菓子を購入することができます。また、チェコ大使館がクックパッドでいくつかのレシピを公開しているので、自分で作ってみることもできます!

チェコ大使館のクックパッド  https://cookpad.com/recipe/list/15775898

ケーキなどのお菓子に合わせるのはコーヒーや紅茶が多いですが、もっと暑い季節になると様々なカフェで自家製レモネードが楽しめます。ベリー系やシトラス系のフルーツから、きゅうりやエルダーフラワー、ラベンダーのシロップを使ったレモネードなど、こちらもバラエティは豊富です。

チェコのお菓子を購入するなら

ツックル  https://www.facebook.com/cukr.mi/

4.知られてないけどエア旅でトライしたいチェコの食べ物は…?

チェコ料理はどれもまだ知られていないので、まずは上記に上げた料理を食べてもらいたいです!

臓物(牛の胃袋)スープ © CzechSpecials

ですが、強いて言うならば臓物(牛の胃袋)スープ(Dršťková polévka/ドルシュチコヴァー・ポレーフカ) と、ラードペーストと揚げラード(Sadlo a Skvarky/サドロ・ア・スクヴァルキ)です。

臓物のスープはチェコでも好きな人と嫌いな人で分かれますが、日本ではモツを食べる習慣があるので好きな方は多いと思います。 ラードの方もほとんど聞いたことがないと思いますが、パンに塗って食べるととっても美味しいおつまみになります。

5.エア旅チェコで楽しみたい音楽は?

やはりスメタナ、ドヴォジャークといったクラシック音楽は外せないでしょう。優雅にクラシック音楽を聴きながらお茶を飲めば、チェコのカフェにいる気分になれると思います。

もっとフォークロアな雰囲気になりたい方は、伝統楽器のツィムバロム(cimbalom)やドゥディ(Dudy)という名前のチェコ版バグパイプの音色もお勧めです。スコットランドのバグパイプとは少し音色が異なりますが、違いが分かりますか?

ツィムバロム  https://youtu.be/QPoZ1YZmlqs

チェコ各地では、様々な音楽のジャンルのフェティバルなどイベントが開催されます。

例えば、クラシックなら「 プラハの春音楽祭 」、「 スメタナのリトミシュル」、 「 チェスキー・クルムロフ国際音楽祭 」。

フォークロアなら「 ストラージュニツェの国際フォークロア・フェスティバル 」。

中世の音楽なら「 クトナー・ホラの王立銀遊戯祭 」。

6.エア旅チェコで楽しみたいアートは?

チェコセンター東京が様々なアートに関するイベントを開催しています。ぜひこちらをチェックして最新のチェコ アートを堪能してみてください。


チェコセンター東京 https://tokyo.czechcentres.cz/ja/

そのほか、鳥取砂丘にある「砂の美術館」ではチェコ &スロバキアをテーマとした巨大な砂像の展示を2021年の1月まで行っています。プラハ城、天文時計、カレル橋などが見事に再現されています。

砂の美術館  http://www.sand-museum.jp/

また、埼玉県の「うらわ美術館」では、2021年6月20日(日)まで、チェコ出身のアール・ヌーヴォー画家アルフォンス・ムハ(ミュシャ)の作品の展示が行われています。

うらわ美術館 https://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/

ミュシャ関連で言うと、実は大阪の堺市には「堺 アルフォンス・ミュシャ館」があるのはあまり知られていません。年間を通して常設展示が見られるので、ミュシャファンは必見です。

堺 アルフォンス・ミュシャ館 https://mucha.sakai-bunshin.com/

7.チェコにこんな穴場がと思う場所は?

プラハのカルリーン地区やホレショヴィツェ地区はまだまだ知られていない穴場だと思います。カルリーン地区にはモダンなレストランやカフェが集まっていて、地元民も多く集まります。観光地すぎないオシャレな場所を求める方にはオススメです。

ホレショヴィツェ地区はかつての工場地区がアート地区に生まれ変わった場所です。アートギャラリーなどが多く立ち並ぶので、最新アートを楽しみたい方におすすめです。

チェコは自然も豊かなので、心も体もリフレッシュできる自然公園もお勧めです。特にボヘミアン・スイス、チェスキー・ラーイ(ボヘミアン・パラダイス)、チェコ・カナダ辺りは穴場です。

■.チェコと言えばビールや音楽は有名ですが、本当にいろんな魅力がありますね。また、プラハ以外にもいろいろと行きたくなります。改めましてチェコの基礎情報と読者に一言をお願いします。

ヨーロッパのエッセンスがぎゅっと凝縮されている国、チェコ。「ヨーロッパのハート」と呼ばれるこの国には、14か所のユネスコ世界文化遺産と、6件の世界無形文化遺産があります。

北海道と同じくらいの大きさの領土は3つの大きな地域(ボヘミア、モラヴィア、シレジア)に分かれており、それぞれビール地方、ワイン地方、スピリッツ地方と呼ばれることも。さらに具体的には13州+首都(プラハ)に区分されており、それぞれの地域で異なる魅力を有しています。

残念ながらまだ直行便はありませんが、ヨーロッパ系の経由便を使えば15時間程度で到着することができます。主要な空港はプラハ空港ですが、オーストリア航空でウィーンin をして電車でモラヴィア地方に入ったり、ポーランド航空でオストラヴァにinして東から旅を楽しんだりとバリエーションは様々です。

チェコにも四季があり、各季節で見られる風景が異なります。緯度的には北海道と同じくらいなので、気候も似ていると考えていただいて大丈夫です。ただし、雪は北海道よりは少ないです。チェコは老若男女、どんな人も楽しめるデスティネーションです。

チェコはヨーロッパの中でもお城の密度がトップレベルで、どこに行っても何かしらのお城を見ることができます。そんなお城訪問や、山に囲まれ自然豊かなので、ハイキングもおすすめです。チェコの道標システムは世界的に評価が高く、地図やアプリがなくても迷わずハイキングに行けます。

日本からの観光客をお迎えして、チェコの多様な魅力を知っていただける日を心待ちにしています。

回答:チェコ政府観光局日本支局長 シュテパーン・パヴリークさん

プラハ、カレル大学芸術学部にて学士-修士(中国研究)、プラハ、カレル大学芸術学部にて修士課程(アジアおよびアフリカ諸国言語)を修得後、2017-2019年チェコ政府観光局 上海支局 局長を経て、2020年より現職。

チェコ政府観光局 https://www.visitczechrepublic.com/ja-JP

写真提供/チェコ政府観光局

Text/小野アムスデン道子

世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。インバウンド・コンサルタント。日本旅行作家協会会員。


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