全米一のワイン生産量を誇るカリフォルニア州。ナパやソノマといったワイン産地は日本でも有名ですが、地中海性気候でイタリアやスペインのブドウ品種のワインも豊富でバライエティのあるワイナリーが揃うのが南カリフォルニアのテメキュラ。ロセンゼルスから南へ約2時間、サンディエゴから北へ約1時間で、内陸部にあるワインの名所です。この夏、ロセンゼルスからサンディエゴまで車でコースト沿いをドライブする予定を立てたのですが「エリアで消費されているので、なかなか他ではテメキュラのワインは味わえないよ!」とおススメされて立ち寄ることに。
45ほどのワイナリーがあるテメキュラ。歴史を遡れば、1820年にスペイン人伝道師がブドウを植えだしたのがその始まりとか。温暖な地中海性気候、一方で海からの涼しい風もあって昼夜の寒暖差があり、ブドウづくりに適した土地だったのですね。テメキュラのワインはブドウ品種が多彩ですが、なかでもイタリア、ローヌ地方、スペインが産地のブドウ品種が目立ちます。ワイナリーのテスティングルームやレストランも「ここはヨーロッパ?」という感じの建物が多くて、おしゃれ。
まず訪れたのは「クーガー・ヴィンヤード&ワイナリー」。暑い夏にぴったりのプロセッコ(現在はグリラ)、ピノ・グリージョ、そしてサンジョヴェーゼやモンテプルチアーノといったイタリアの品種のブドウでワインを造っています。
最初に寄ったのはワイナリー巡りをするのに、オンラインで購入したワイン・テイスティング・パスポート「SIP TEMECULA」の配布場所がここだから。「SIP TEMECULA」は、月曜〜金曜のみ(休日のぞく)ですが30を超える参加ワイナリーの中から5カ所で6種類のワインが$53でテイスティングでき、さらにワイン購入時に10%から15%の割引がつくというお得なもの。各ワイナリーでのテイスティングだとこのクーガー・ヴィンヤード&ワイナリーで$22なわけで、3カ所回れば元が取れて、お安くワインも買えてしまうんです。
SIP TEMECULA https://www.temeculawines.org/sip-passport/
こんな素敵なテラス席で喉を潤す白を一杯。カリフォリニアの内陸は砂漠も多いので、かなり夏は暑く、ワイナリーにもブドウ畑とシュロやパームツリーが同居しています。
次に訪れたのは、イタリアからの移民であるフェデリコ・レンゾーニが1914年に東海岸で始めたワインづくりから始まり、西海岸に舞台を変えて、2006年からある「ロバート・レンゾーニ・ヴィンヤード Robert Renzoni Vinyards」。建物もイタリアの豪華な別荘のようです!
広々したテイスティングルームはエアコンが効いてますが、太陽光自家発電でまかなっているそう。テイスティングで思わず「おいしー」とうなったフルーティでタンニンもしっかりしたモンテプルチアーノを購入。$40から10%引き。
ランチとテイスティングを兼ねて、これまた地中海にいるような雰囲気の「ヨーロッパ・ビレッジ・ビンヤード&リゾートEurope Village Vineyard & Resort 」へ。サフランの香り高いパエリアや、アーティチョークなど野菜もたっぷりの魚のグリルが美味しい。パティオではギターの演奏をしていて、気分はスペイン。テンプラニーニョなどスペインのワインを味わう感じ。
滞在していたのは5時間ぐらいで、巡ったワイナリーは3軒ですが、カリフォルニアのからりと青い空とヨーロッパへの旅気分も味わえて、大満足。
Grapeline wine Tours という会社のツアーでTemeculaのワイナリーツアーも出ています。
Grapeline wine Tours (Temecula ) https://gogrape.com/temecula/wine-tour-excursions/
テメキュラのワイナリーについては https://www.temeculawines.org/
Text / W LIFE編集長 小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。インバウンド・コンサルタント。日本旅行作家協会会員。